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【けふのフェミニズム】「第二の性」 [哲学]

【けふのフェミニズム】


 


「人は女に生まれない。女になるのだ」( On ne nait pas femme : on le devient)という有名な言葉で始まった、新潮社文庫の、ボーボワール『第二の性』を、高校時代その気になって読んでいたが、実は、これは、原書では、全2巻の、第2巻の、第1章の冒頭だった。


つまり、新潮文庫の『第二の姓』は、章の順番をテキトーの変えてしまった、「都合のいい女」フェミニズムだった。その後、正しい順序の版がべつの出版社(人文書院だったか)から出たが、それほど注目されなかった。


本書が出た時、ボーボワールは41歳だった。


さて、実際の第1巻、第1章は次のように始まる──。


 


****


 


 シモーヌ・ド・ボーボワール『第二の性』


 


「第1部」「運命」


 


 第1章「生物学的データ」


 


 女とは? 決まってるじゃないか、いたってシンプル、シンプルな決まり文句の愛好家は言う、それは母胎、卵巣、つまり雌ってことだ、この言葉の定義はそれで十分だ。男の口の中で、雌という形容語句は侮辱的に響く、しかし彼はその獣性を恥じることもない、むしろ彼のことを「雄」と言うのを誇りに思っているようだ。「雌」という言葉は、軽蔑的であるが、それは、女が自然の中に根づかせられるからではなく、それが性の中に閉じ込められるからである、この性が軽蔑すべき人間として、無垢な獣にとってさえの敵として現れるとしたら、それは当然、彼の中に女が呼び起こした不安な敵意のせいである、しかしながら、彼は生物学の中に、こうした感情の釈明を見出そうとしている。


(訳註:ボーボワールの文章は、プルースト並に長い!)


 


*****


 


 Simone de Beauvoir " Le deuxième sexe "


 


Première partie " DESTIN "


 


CHPITRE PREMIER


 


Les données de biologie


 


La femme? c'est bien simple, disent les amateurs de formules simples : elle est une matrice, un ovaire; elle est une femelle : ce mot suffit à la définir. Dans la bouche de l'homme, l'épithète femellesonne comme une insulte; pourtant il n'a pas honte de son animalité, il est fier au contraire si l'on dit de lui C'est un mâle!Le terme femelleest péjoratif non parce qu'il enracine la femme dans la nature, mais parce qu'il la confine dans son sexe; et si ce sexe paraît à l'homme mèprisable et ennemi même chez les bêtes innocentes, c'est évidemment à cause de l'inquiète hostilité que suscite en lui la justification de ce sentiment.


 


 


 


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