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【詩】「空蝉」 [詩]

「空蝉」

 

はにおくつゆのこがくれて、

歌ひとつつくれぬ女ゆゑ

せめて伊勢よりひきて残す。

式部はなにを思つたか、

若き後妻のされかうべの

空蝉よりかろきに、

つれなきひとに見せかけて

おん手習取出たり。

ものはづかしきここちして、

この巻の発端は別に端を

起こさずして前章よりひきつぐは、

これまたひとつの技法なり。

十七の夏を映す鏡の、

なを人がらのなつかしきかな。




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井上勇

返歌 空蝉…に因んで短歌一首です、

空蝉の身は潰れなむ足裏 (あなうら) をやはら上ぐれば木の葉なりけり

by 井上勇 (2017-08-02 00:15) 

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