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【詩】「しあわせな日々」 [詩]

「しあわせな日々」

 

せとうちじゃくちょうです。ほんま、あたし、わかいときはかわいかったんですわ。こんとうこうおしょうにとくどしてもらって……。とくどってごぞんじ? あのー、かみをきるというか、そることね。そってぼうずにすることです。ぶつもんにはいるために。むかしの身分の高い女性も人生はかなんだとき、とくどしたんですわ。そら、あたしもじゅうぶんな修行をつみました。奔放なじょりゅうさっかだったけど、いろいろふりんもしましたが、もうおとこはいいと思ってしまったの。いまは、はやしまりこさんがもってきてくれる、いちまんえんくらいのかつさんどとしゃんぱんがたのしみ。もちろん、ぶつもんにつかえるみ、それなりのしゅぎょうはしてますよ。いろいろなやんでいるじょせいのそうだんにのってあげたり。さっかとしてしっぴつもしています。このたび、えいがにでました。そう、せんそうは、ころす方もころされる方もひさんだっていうことを、おはなししました。ほら、あたしって、すでにそなわったぶつもんてきおーらがありますでしょ? でただけではくりょくですわ。せとうちじゃくちょうってなまえをはつおんしただけで、わらいをとれますでしょ? だから、そういうげいにん、ざ・にゅーすぺーぱーがさまざまなせいじかにふんするみたいに、だれかあたしのふんそうをしてやってくれないかしら? もちろんぶつもんにつかえるみなので、あたしがげいにんとしてぶたいにたつわけにはいかないので。それにしても、ながい時間がたってしまった。いったいいま、いつのなのかしら? ぶつもんにつかえるみ。そくしんじょうぶつみたいなこの状態(土でくられた山に首まで埋まっている)。じゃくちょうってなまえは確か、とうこうおしょうが、つけてくれたような気がするけど、もうずいぶん前なので忘れてしまった。とうこうおしょうはとうのむかしにきせきにはいられて、もうどくぜつひとついえやしない。あのころ、とうこうさんときゃっきゃっいってたじだいが、あたしのいちばんしあわせな日々だったかもなー……(と土に首まで埋まった老女がしゃべりつづける、サミュエル・ベケット作『しあわせな日々』を急に演じたいな〜と思った筆者だった……)

 

 

 


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