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【訳詩】T.S.エリオット『四つの四重奏曲』より [訳詩]

T.S.エリオット『四つの四重奏曲』より

 

現在の時間と過去の時間は

両方ともたぶん未来の時間の中に存在し、

そして未来の時間は過去の時間の中に含まれている。

もしすべての時間が永遠の現在なら

すべての時間は取り戻すことができない。

かつてあったかもしれないものはひとつの抽象概念かもしれない

それは永遠の可能性にとどまり

想像のなかにのみある。

かつてあったかもしれないもの、あったものは

ひとつの終焉、永遠の現在を示す。

記憶のなかの足音の響き

われわれが通らなかった通路に降り

われわれが決して開けなかった扉に向かう

ローズ・ガーデンのなかへ。私の言葉は

きみの心にこのように響く。

      しかしなんの目的で

ローズ・リーブスの鉢の上の塵をかき乱す

私は知らない。

 

****

 

From T.S. ELIOT "Four Quartets"

 

Time present and time past

Are both perhaps present in time future,

And time future contained in time past.

If all time is eternally present

All time is unredeemable.

What might have been is an abstraction

Remaining a perpetual possibility

Only in a world of speculation.

What might have been and what has been

Point to one end, which is always present.

Footfalls echo in the memory

Down the passage which we did not take

Towards the door we never opened

Into the rose-garden. My words echo

Thus, in your mind.

                              But to what purpose

Disturbing the dust on a bowl of rose-leaves

I do not know.

 


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