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【詩】「絵本」 [詩]

「絵本」

 

私は子ども時代から絵本が読みたいと思ったことがないし、親しみを感じたこともない。保育園時代は、「よいこのくに」と「キンダーガーデン」を取っていたが、あれは、保育園を介した業者が親に売りつけたものだ。うちは貧しかったが、「教育係数」が高かったので、「ふん。絵本ぐらい取れるわよ!」ってなもんだったのかもしれない。

それやこれや、絵本と聞くとがっかりした。ボルテージがさがる。絵本が強制してくるある世界観に辟易する。

また絵が、いかにも絵本ですよーといった絵だとさらにうんざりする。いいトシこいたジジイが絵本なんかにカンケイしてると、胡散臭さ百倍である。しかしながら、記憶に残る絵本がないわけではない。それは、大家の隣家にあった、童謡に絵をつけた本と、保育園にあったのかどこか、紙芝居のハナシを絵本にしたものか。なかでも「こがねまる」。犬が武士であるハナシだ。そして「雨降りお月さん」。振り袖に文金高島田、角隠しの花嫁が白い馬に乗っている。なんで、わざわざ、雨降りに嫁に行くのだ? それらは繊細に着色されて、遠く遠く、日本の時間のなかを後退していく──。





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