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【詩】「El obsceno pàjaro de la noche(夜のみだらな鳥)」 [詩]

El obsceno pàjaro de la noche(夜のみだらな鳥)」

 

息子たちよ、分別のつく十代に達したなら、やがて知るだろう、人生は、

喜劇ではなくて、お上品なコメディでもなく、いまだ鎮圧されていない森、そこでは、猟犬や夜のみだらな鳥が、キーキー鳴きわめいている……

と、ヘンリー・ジェームズ卿が、息子たちに書き送った、さて、ホモセクシャルにして孤独に死んだジェームズ卿に、息子がいたのか、どうか。この、

イギリスにわたって、サーの称号を与えられたアメリカ人に。兄のウィリアムは、心理学者……小説の意識の流れを発明した人物だ。

そう、このジェームズ卿は、心理学者ウィリアムと、作家ジェームズの父だった──。

 

今日、ママンが死んだ。いや、昨日だったか──。養老院から来た電報。その教会付きの養老院には、「お払い箱になった」召使いの老婆がたくさんいて、実に雑多なものをその巣窟に溜め込んでいたが、死ねば、それらは生き残っている老婆の争奪戦となる。

 

La falta de interés de los Azcoitía por esta Casa es secular.

 

行方不明となった、二目と見られぬ醜い令嬢を探すため私は雇われた。

 

──¿Dónde?

──Allá va.

 

やがてその森に足をとらわれ、悲劇という木々が深く根を下ろす

暗闇のなかへ……

 

──Gracias.

──De nada.

──¿Sí...?

──¿Me oirán si grito?

──¿Por qué...

 

「ヘンリー・ジェームズを読んでいなければ、この小説はわかりませんよ」

 

Sólo la mancha negra que el fuego dejó en las piedras y un tarro negruzco con asa de alambres. El viento lo vuelca, rueda por las piedras y cae al río.

 

川に落ちた空き缶はやがて朽ち、すべての記憶を失う。

ただ、私の脳髄に残ったきらめきを残して。

 

****

 

(スペイン語はすべて、José Donoso "El obscene pájaro de la noche"ALFAGUARA)からの引用)

noche.jpg


 


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