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【詩】「吹雪」 [詩]

「吹雪」

 

なるほど都は唐をまねても、政治機構はまったくちがう。日本の12世紀といえば、源頼朝などの武士が力を持ってくるのであるが、京の都では、相変わらず門閥貴族どもが右往左往していて、オレもそんな日常を送っていた。やれ誰それが正何位に叙せられたとか。どんな装束で殿上したかとか。オレの日記はそんなことで埋められている。西洋では十字軍とかマグナ・カルタの時代だな、オレらは、和歌を制作するのに懸命だった。まー、平和なクニだなー。だってマネている唐って、8〜9世紀のクニだぜ。12世紀に、8〜9世紀のクニをまねていたんだ。そして、科挙制度は全然取り入れなくて、門閥でぐちゃぐちゃやっているうちに、平家は亡んで、暴力で支配する武士の時代になっていく──。そんなクニの文人たちが、白楽天を愛読する。

 

漢皇重色思傾國

御宇多年救不得

 

806年、白居易が「長恨歌」を作らなかったら、楊貴妃は映画にもならなかった。詩人が世界を動かしていた国。

 

そしてオレたちはそんな昔の作品を崇めて、門閥に悶絶しておったんだ。

 

承元元年、1207年、正月一日、丁丑、立春、天晴雪霏々、すなわち、吹雪。

新年の挨拶に人々集まり、装束など細かに記す、

 

翌月、土御門帝は、民衆の力を抑えるため、専修念仏の親鸞を越後に流す。

 

冬はたゞ飛鳥の里のたびまくらお(を)きてやいなん秋のしら露


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