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『ウンベルト・エーコ 小説の森散策 』──稀有で卓越したネルヴァル論でもある。(★★★★★) [Book]

 『ウンベルト・エーコ 小説の森散策』(ウンベルト・エーコ 著、 和田 忠彦 訳、岩波文庫 2013年2月16日刊)


  奇異な生涯を送った、フランスの作家、ネルヴァルに関して、とくに懇切丁寧に分析、紹介している。実は格好のネルヴァル論であり、入門書である。はかない青春の時間への思いが、論であるにもかかわらず、胸をつく。


 私は本書によってネルヴァルを知り、全集も原書も購入した。


  エーコのベストセラー小説の、『薔薇の名前』とは違った、もっと純文学に味方する論は、大江健三郎の『新しい小説』よりは、ずっと若い作家志望者に役にたつ。


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