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【詩】「きみはきっと来ない」 [詩]

「きみはきっと来ない」

 

ひとりきりのクリスマスイヴ、うーがーあああ。

小西甚一センセイによれば、俳句というのは、基準がないので、歴史的にみていくほかないという。それぞれのお家元は、勝手な基準でやっているわけである。

 

 日東の李白が坊に月を見て  重五(名残表十一)

  巾に木槿をはさむ琵琶打  荷兮(名残表十二)

 うしの跡とぶらふ草の夕ぐれに  芭蕉(名残裏一)

  箕に鮗(このしろ)の魚をいたゞき 社国(名残裏二)

 わがいのりあけがたの星孕むべく  荷兮(名残裏三)

 

中国の詩人などの故事、弘法大師の母親の、聖母マリアをも彷彿とさせる赤子祈願などを、ほのめかせているわけだが、2018年のカルロス・ゴーンはもとより、日産リーフ、トヨタはなんだろ? 大谷翔平も藤井ソータも、まったくわからないのである。牛のお墓といわれても。牛こそ、墓なんか想像だにされたことないでしょう。たいてい、食われているわけですから。

荒井由実は十二月に遅く起きて、ぼんやり曇る窓から見ているわけです。そこに元カレの通るわけもなく、もうすぐ来るクリスマス。

思い出の日には、また会おうと言った、もう会えないくせに。必ず今夜なら言えそうな気がして、うー、がーあああ……きっと雪へと変わるだろう。それにしても、「くちなしの花」をカバーしている舟木一夫のうまいこと、そして、「昔の名前で出ています」をカバーしている新沼謙治のうまいこと。都はるみのカバーする「思い出酒」ですら、ご本家よりうまいんです。ご本家よりうまく歌える自信がなければ、カバーなどするべきではないんです。プロはね。

「イルカにのった少年」、城みちる。これだけはご本人です。誰がカバーしますか? 「いるかにのった少年」なんか。でも、なんで、少年が、いるかに乗ってやって来るのかは、まったくわからない歌詞なんですが。きみに! きみに! きみに! 会うため〜やあ〜ってく〜る〜♪ だそうです。

 

収拾つかない人間の生の、泥まみれの闇。雨が雪に変わると、なぜ、いいことあると思えたのか? ただの気象の変化に。そう、きみは、きっと来ない。永久に、ひとりぼっちの、クリスマスイブ。弘法大師の母は、頭に盥を載せ、高下駄をはいて屋根にのぼり、天に向かって、子どもを授けてください!と祈り、大師を生んだそうです。あーめん。

 

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