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『天才作家の妻 -40年目の真実-』──「あいまいな北欧の作品」(★) [映画レビュー]

『天才作家の妻 -40年目の真実-』(ビョルン・ルンゲ監督、 2019年、原題『THE WIFE』)

 

監督に関する情報はほとんどないが、名前はなにやらスエーデン風。しかもYahoo!リストにある作品は本作のみ。『ドラゴン・タトゥーの女』もそうだが、北欧が舞台で、北欧の息のかかった映画は、すべて、「あいまいな」いやらしさをまとっている。ノーベル賞は、誰もが知っている、究極の賞だが、理系はともかく、文学界となるとどーでしょーかねー? 近年の受賞作に、おもしろい作品なんかあるんですか? あれって、誰がどうやって選ぶのでしょう? 少なくとも、候補を。……てな具合で、およそ賞にまとわりつく胡散臭さも極めつきの感があり、授賞パーティーやホテル、機内の様子からして、ゴージャス感はまるでなし。扱っている世界はゴージャスだが、一目で低予算映画とわかる。『カメラを回せ』といい勝負。だいたい、当の作家の夫がクズすぎて、しかも、その役をやっている、ジョナサン・プライスがてんでその器ではない。かててくわえて、なにかとわけしり顔の微笑みを見せるグレン・クロースも、いい年こいて色気丸出しで、成熟度ゼロ。

 だいたい、文学や芸術に「作者」は必要か?という、現代哲学のテーマなど考えてみない人々が、テキトーに撮っただけって「あいまいさ」も、北欧らしい。物語というのはほぼ出尽くして、いまや「編集」、音楽でいえば、シンガーソングライター(松任谷由実)より「編曲」(松任谷正隆)しだいで、芸術になるかどうかの世界で、誰が「書いたか?」などどーでもいいことなのである。文学のサンプルも見せず、抽象的なほめ言葉だけで、ノーベル賞作家モノが聞いてあきれる。まあ、「ノーベル賞」は、スエーデンの、唯一のお国自慢なんだろー。その昔は、「フリーセックス」(爆)なんてのもあったが。

 グレン・クロースは、ジュディ・デンチに、演技とは何かを教えてもらうべきだ。



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