SSブログ

【詩】「しかして、アエネーアースはローマへ向かう」 [詩]

「しかして、アエネーアースはローマへ向かう」

 

トロイ戦争のおわり

アマゾネスに助けられ、まるで

運命のように

アエネーアースと名づけられた若者は、

イタリアへと向かう

さまよう時間は七年

長くもあり短くもある、と、そこで、

作者ウェルギリウスは「あえかの蘆笛で」を

削除する、この海は、

鉛色

かつて奴隷たちが帆船を漕いだ渦まきの感触が

足裏に蘇る

アリストテレスの原稿は実はメモしか残ってない、

らしい

いずれ朽ちたパピルスさえも

アレキサンドリアの図書館から消えるとき

作家志望でもパパラッチの

マストロヤンニは、

浜に打ち上げられた腐った

巨大な魚のそばを

あるく

とうに

希望は

消えている


IMG_3843.JPG





 


nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。