【詩】「しかして、アエネーアースはローマへ向かう」 [詩]
「しかして、アエネーアースはローマへ向かう」
トロイ戦争のおわり
アマゾネスに助けられ、まるで
運命のように
アエネーアースと名づけられた若者は、
イタリアへと向かう
さまよう時間は七年
長くもあり短くもある、と、そこで、
作者ウェルギリウスは「あえかの蘆笛で」を
削除する、この海は、
鉛色
かつて奴隷たちが帆船を漕いだ渦まきの感触が
足裏に蘇る
アリストテレスの原稿は実はメモしか残ってない、
らしい
いずれ朽ちたパピルスさえも
アレキサンドリアの図書館から消えるとき
作家志望でもパパラッチの
マストロヤンニは、
浜に打ち上げられた腐った
巨大な魚のそばを
あるく
とうに
希望は
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