伊藤浩子詩集『たましずめ/夕波』──平成最後の華麗なるテクスト群(★★★★★) [Amazonレビュー]
『たましずめ/夕波』(伊藤浩子著、 2019年3月27日、思潮社刊)
そういや、自分は「詩集研究家」でもあった(笑)。本書も、生協経由e-hon(5%オフ)で購入しました。著者は、常に、文学的に、同年、同類の、居並ぶ詩人を一歩リード、しかも、ラカンだのフロイトだのを「振り回して」、何でも読み取っていこうとする、ほとんど絶望的な試みを果敢にされていて、他の追随を許さないので、5%offでも、3000円以上するこの本を買いました。(定価は、3200円+税)詩集は、身銭を切ってこそ価値のあるものと信じます。
本書は、縦長変形の、みるからに、「たかそー」な本である。柳田国男『遠野物語』をテクストに、精神分析と著者自身の感性を縦横に往還させる新たなるテクスト。欄外の上下、行間にはみ出す註。これに拮抗できるのは、おフランスのデリダのみ。平成最後の傑作と見た。まー、買って読んでみてください(笑)。
しかし、令和になったら、このようなテクストは、ブラックホールに吸い込まれてしまうかも(笑)。
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