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2017年映画ベスト10 [映画]

「ワタシ的2017年映画ベスト10」

 

 2017年、劇場で観た映画は、50本ちょうど。2017年は、2016年に比べて質の高い映画が出ていたように思う。とくに、邦画の監督の世界レベルの仕事があり、フランスやイタリア映画の芸術系も豊作であった。もはやいたずらに数を追うだけのヒマも金もないので、厳選を重ねた50本であり、どれがベスト10に入ってもおかしくないような状況だった。ただ、私が避けたのは、あらゆる意味での紋切り型、確信犯的な映画である。失敗を恐れず挑戦している映画を評価した。

 

***

 

1 『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』( トラヴィス・ナイト監督、2016年、原題『KUBO AND THE TWO STRINGS』)──未知のものを見せられる興奮。

 

2 『ブレードランナー2049』(ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、2017年、原題『BLADE RUNNER 2049』──Yahoo!レビューでは★二つをつけてしまったが、テキトーであったと反省。二回目に、すばらしいSF的空間の構築と、「人間とは?」の根源的問いの提示。

 

3 『パリ、恋人たちの影 』(フィリップ・ガレル監督、2015年、原題『L'OMBRE DES FEMMES/IN THE SHADOW OF WOMEN』──男女の心の中を映像化した、フランス映画の原点へ。

 

4 『おとなの事情』(パオロ・ジェノヴェーゼ監督、2016年、原題『PERFETTI SCONOSCIUTI/PERFECT STRANGERS』)──これも、男女の心の映像化なれど、こちらは、いかにもイタリア式(笑)。

 

5 『ベイビー・ドライバー』(エドガー・ライト監督、 2017年、原題『BABY DRIVER』)──若きアンセル・エルゴートの、骨太の魅力。クルマ愛。

 

6 『アトミック・ブロンド』(デヴィッド・リーチ監督、2017年、原題『ATOMIC BLONDE』──色を売っているようで売っていない、真にツオイ女登場!

 

7 『たかが世界の終わり』(グザヴィエ・ドラン監督、2016年、原題『JUSTE LA FIN DU MONDE/IT'S ONLY THE END OF THE WORLD』)──ぐちゃぐちゃな感情を描きうるのは、おフランスだけ。監督はカナダ人なれど、フランスのスター俳優たちで作った成功作。

 

8 『誰のせいでもない』(ヴィム・ヴェンダース監督、 2015年、原題『EVERY THING WILL BE FINE』)──文学味たっぷりの映画。そんな世界を、シャルロット・ゲンズブールが誰よりも体現化。

 

9 『ミューズ・アカデミー』(ホセ・ルイス・ゲリン監督、2015年、原題『LA ACADEMIA DE LAS MUSAS/THE ACADEMY OF THE MUSES』)──ダンテもびっくり、ミューズ学。ハゲでデブの教授のモテ道(笑)。

 

10 『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』(ラース・クラウメ監督、 2016年、原題『DER STAAT GEGEN FRITZ BAUER/THE PEOPLE VS. FRITZ BAUER』)──地味な主人公の地味な映画だが、それゆえに、数ある「ナチスもの」のなかでもリアリティがある。

 

(次) 『惑う After the Rain』(林弘樹監督、 2016年)──宮崎良子が最高の女優に進化!

 

 


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よいお年を!@マイケル [日常]

みなさん、よいお年を!@実家マイケル(11しゃい、愛知県豊橋)



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クリスマス・ディナー2017 [日常]

(自分でいうのもなんだが(笑))、すごいクリスマス・ディナー。

 

ローストチキン(みつせ鶏、生協できあい。温めるだけ)、牛ヒレステーキ(付け合わせ、ほうれん草のソテー)、野菜のハーブ焼き、レタスとイタリアンパセリのサラダ、白花豆のサラダ、チーズ(フルム・ダンヴェール(青カビ))、田舎風スープ(十五穀入り)、バゲット(カイザーメゾン)。

赤ワイン→コッポラ・シラーズ(カリフォルニア)

泡→カヴァ(スペイン)

 

デザート:生クリームのクリスマスケーキ(生協できあい)、コーヒー(スタバ、クリスマスブレンド)、ブランデー(マーテル、コルドンブルー)

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『希望のかなた』──無表情の中の魂(★★★★★) [映画レビュー]

『希望のかなた』 (アキ・カウリスマキ監督、2017年、原題『TOIVON TUOLLA PUOLEN/THE OTHER SIDE OF HOPE』)

 

 クリスマスイブに本作を観ることになったのは、天の思し召しかもしれない。相変わらず、映画.comの批評氏は、判で押したようなことしか書いていない。「心温まる」とかなんとか。本作で「心温まる」かどうか。確かに、動きのない画面構成からは、オズだかなんだか、そういう影響が認められなくもない。しかし、同じ無表情でも、日本人の解剖学的特性の無表情とは違った、一種独特の怖さを持った無表情で、カウリスマキ作品の登場人物たちは登場する。誰もが無表情で、実際、いい人か悪い人か、わからない。難民を痛めつける極右たちも、主人公を拾ってくれるレストランのオーナーも、結局は、主人公(シリア人の難民)をいろいろと助けてくれるレストランの従業員たちも、ケイタイ電話を貸してくれるイラク人の難民仲間も、フィンランドの警察も、移民局の人も、主人公に偽のIDカードを作ってくれるオタクの青年も、極端にいえば、同じ表情をしているのだ。

 そして、映画は、大団円も、カタルシスも拒否する。希望でも絶望でもない、「かなた」へ、観客を連れていく。

 結局、現実というものは、そういうものだ。「袖擦り合う」だけの人も、「親しく交わる」ことになる人も、外側からだけしか見ることができず、その人たちの心の動きなどわからない。それが、普通の映画だと、手に取るようにわかったりする。それで、観客は、主人公に感情移入できる。本作では、主人公にさえ、感情移入できないようになっている。ただ、シリアのアレッポ(イスラム国の占領地であり、政府軍と反政府軍が対立した内戦が続く。安倍首相は、自衛隊をシリアに送り込むに当たって、「戦争状態ではない」と言った。最近は、戦乱状況も、安定してきたと聞くが)から、ヘルシンキに辿り着いた主人公の青年に添って、難民がどういう扱い(よくも悪くも)を受けるかが具体的に目撃できるのみである。

 無表情、殺風景な場面に、劇的な年寄り(?)のミュージシャンたちの歌声が流れ、主人公の青年もまた、琵琶に似た弦楽器を弾いてみせる。その音は、魂というものの存在を浮かび上がらせる。それは、希望よりも尊いものなのである。




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【詩】「ジジイのストリート・ミュージシャン」 [詩]

「ジジイのストリート・ミュージシャン」

 

威勢のいいダミ声が流れてくる。

見ればジジイのストリート・ミュージシャンだ。

実際のところ、そのギター弾きが、何歳かはわからない。痩せこけた頬と、白いヒゲで判断したのだ。

フィンランドでは、ジジイがストリート・ミュージシャンをしている。

フィンランドでは、難民の異国人同士、たとえば、シリア人とイラク人が、助け合っている。

イギリスの浜辺の墓地では、ジジイは墓穴を掘っている。

『ハムレット』でもおなじみのシーンだ。

そうしてジジイは、

難民については何も語らない。

シリアはアレッポの、普通の市民を殺すのは、

政府軍? 反政府軍? ヒズボラ? イスラム国?

もうなにがなんだか、わからなくなっている。

ヨーロッパの映画監督は、どんどん難民問題を

映画に取り込んでいく。

だが、日本はどうだ?

日本では、ジジイはヒマをもてあましているかに見える。

威勢のいいダミ声で歌わない。

カーボーイブーツを履き、エレキギターをかき鳴らし、

悔しかったら、ストリート・ミュージシャンになって、

難民たちの、苦しくも悲しいロマンを、歌い上げてみろ

ってんだ。

「鷲は舞い降りた」。

今からチャーチルを誘拐する。

ハイル・ヒトラー!


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イブ・イブのお酒 [日常]

イブ・イブのお酒。

シェリーは、スペインのヘレスという街で作られているが、そのヘレスの、葡萄生産たちが作ったシェリー。発行形態によって、フィノ、アモンティラード、オロロソなどに分かれているが、このオロロソは、大航海時代に飲まれていたものに近いとか。

濃厚で、わりあい何にでも合う。ここでは、たまたま、いなり寿司(笑)が出ているが、コンテというチーズも合って、食べたあと、冷蔵庫にしまってしまった(笑)

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けふのランチ@20171223 [日常]

けふのランチ。

おフレンチなサラダ二つと、味噌汁(笑)。

 

れんことごぼうのサラダ(豚肉、干しイチジク、プルーンに、バルサミコ酢とマスタード入りドレッシング)。

ちりめんじゃこと、しめじ、カボチャの味噌汁。

キーウィー入りヨーグルト、トースト、オレンジジュース、コーヒー(スタバのクリマスブレンド)。



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暮れのワイン [日常]

映画監督のフランシス・フォード・コッポラのワイナリーで作られた、白ワイン、「ピノ・グリジオ」(カリフォルニア)は、ミネラル・ウォーターのようにグビグビ飲める、透明でフルーティーな味わいが、(「鍋」ではなく。「鍋」にしてしまうと、重くなり、敷居も高くなる)ぜいたく湯豆腐(木綿豆腐に、ブリの切り身、春菊、えのきなどが入っている)にぴったり。

「コッポラ」のお祖父さんがワイナリーを持っていて、コッポラ家は、特別な日のワインではなく、毎日飲めるテーブル・ワインを目指している。

 

伝統とカジュアルがほどよくミックスされているところがすばらしい。なぜか、「ゴッドファーザー」のテーマを口ずさみながら栓を開けるのであった(笑)。

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しつこいようですが、拙詩集、再度のご案内 [日常]

拙詩集。

『Pale Fire(青白い炎)』をよろしく〜。

 

この詩集は、ウラジミール・ナボコフの、「詩集の形式をとった」小説(ミステリー)を、パロっています。また、『ブレードランナー』では、ライアン・ゴズリン扮する、アンドロイドの刑事Kの部屋に、この小説が置いてありました。

 

ガイジンの作品じゃないです。日本人の山下さんの作です。

この↓urlへ行けば注文できますが、コンビニ払いを選択する場合、手続きのにそって、コンビニでお支払いください。発送はそのあとです。

 

なお、このサイトは、こちらがデザイン編集した本を、「そのつど」製本、発送してくれるオンデモンド形式の製本屋さんです。Amazonでは扱っていません。TSUTAYAで検索しても、ナボコフが出てくるだけですので、お時間を無駄にされないように。

 

https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=103862670

 


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「やさしいテムズ川よ……」 [訳詩]

 

Sweet Thames, run softly till I end my song,

Sweet Thames, run softly, for I speak not loud or long.

 

    (From T.S.ELIOT "The Fire Sermon" in The Wast Land 1922)

 

****

 

やさしいテムズ川よ、私が歌い終わるまでゆるやかに流れておくれ、

やさしいテムズ川よ、私は大声で長々と話さないから、ゆるやかに流れておくれ。

 

(T.S.エリオット、『荒地』「Ⅲ 火の説教」より)

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