【詩】荒地1 [詩]
「荒地1」
荒地とは、荒れた土地ではなく、耕地として利用されていない土地。
すべての土地を、畑(日本の場合は、田んぼも含めて)にするのではなく、なんでもない土地として、自然を残しておくことを、熊沢蕃山は提唱した。
おそらくは、T.S.エリオットの「Waste Land」も、そのようなものだっただろう。
多くの行が、さまざまな書物からの引用であるこの詩は、その底に、ケルトの妖精たちや、聖剣エクスカリヴァーが埋まっている大昔の土地を隠している。魚王や、蛙たちの土地。
あらゆる生物は、延髄で情報を集め、脳に送る、ようにできている。
しかし脳が処理する情報は、たったの、0.0001%。そのほかの情報は捨てられる。情報とは、嗅覚、触覚、味覚、視覚、聴覚などの各器官が集めるもののほかに、脳が集める記憶、幻想などもある。
女探偵が、記憶の大地から、その聖剣を引き抜く時、
荒地は香りを沸きたたせるだろう。
「さあきみに、記憶の指輪を!」
そういってランスロットは、くちびるを、わたしのくちびるに触れさせた。
太古というゲームがはじまる。