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【訳詩】「地獄でのひと季節」(ランボー) [訳詩]

 

「地獄でのひと季節」アルチュール・ランボー(拙訳)

 

*****

 

 往時、おれの記憶が確かなら、おれの生は饗宴だった、そこでは心は完全に解放され、葡萄酒は全部流れ出ていた。

 ある夜、おれは美というものを膝に座らせた。──そしてそれが苦しみだと知った。──そしておれはそいつを罵った。

 おれは正義に対して武装した。

 おれは逃走した。おお魔女らよ、不幸よ、憎しみよ、

おれの宝物庫を託したのは、おまえらだ!

 おれはすべての人間的な希望をおれの精神のなかに隠すのに到達する

 心からの喜びをもってそいつを絞め殺すために残忍な獣からそっと飛んだ。

 

 

「地獄の季節」アルチュール・ランボー(小林秀雄訳)

 

 *

* *

 

 かつては、もし俺の記憶が確かならば、俺の生活は宴であった、誰の心も開き、酒という酒はことごとく流れ出た宴であった。

 ある夜、俺は『美』を膝の上に坐らせた。──苦々しい奴だと思った。──俺は思いっきり毒づいてやった。

 俺は正義に対して武装した。

 俺は逃げた。ああ、魔女よ、悲惨よ、憎しみよ、俺の宝が託されたのは貴様らだ。

 俺はとうとう人間の望みという望みを、俺の精神の裡(うち)に、悶絶させてしまったのだ。あらゆる喜びを絞殺するために、その上で猛獣のように情け容赦もなく躍り上ったのだ。

 

 

"UNE SAISON EN ENFER"   Rimbaud

 

*****

 

 Jadis, si je me souviens bien, ma vie était un festin où s'ouvraient tous les cœurs, où tous les vins coulaient.

 Un soir, j'ai assis la Beauté sur mes genoux._____Et je l'ai trouvée amère._____Et je l'ai injuriée.

 Je me suis armé contre la justice ! 

 Je me suis enfui. Ô sorcières, ô misère, ô haine, c'est à vous que mon trésor a été confié !

 Je parvins à faire s'évanouir dans mon esprit toute l'espérance humaine. Sur toute joies pour l'étrangler  j'ai fait  le bond sourd de la bête féroce.

 

 


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