【詩】「いま、そこにいるエリオット」 [詩]
「いま、そこにいるエリオット」
夜の犬の散歩時、i-Podでエリオットの肉声を聴いている。彼自身が読む、Prufrockや、The waste land
常に彼の心は、二十六歳で、Dardanellesで水死したJean Verdenalのそばにある。
四月は最も残酷な月、なぜなら
記憶と欲望を、ミックスする
シェーカーで、古くて新しいカクテルをつくるように。
萎びた根っこを春の雨でステアする
ジンとベルモットを、ステアするように
さあ、最も残酷なマティーニで乾杯しようじゃないか。
エリオットはその詩のなかに、ラテン語イタリア語ドイツ語ギリシャ語フランス語を平気で入れる
あとはぶらぶらぶら……
エリオットはその詩のなかに、聖書、ダンテ、スペンサー、ボードレールなどを平気で引用する
ええと、じゃぐじゃぐじゃぐというような、
鳥の鳴き声も、誰かの詩の引用だ
いちばん影響を受けたのは、なんとか女史の、
アーサー王伝説に関する論文で、その女史は、フレイザー『金枝萹』の影響を受けているという
蛙の王女とか魚の王
ランスロット
エクスカリバー
カトリック教会はまだできていなくて、
そのしわがれた声が夜の闇に響く
おやすみトーマス、おやすみスターン、おやすみ。