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『現代詩手帖 2018年 04 月号 』──鮎川信夫が泣いている。 [Book]

『現代詩手帖 2018年 04 月号 (思潮社、3月28日刊)

 

鮎川信夫と言えば、エラリー・クイーンの『Yの悲劇』の訳者であり、こなれた文人である。その人の名前を(勝手に?)冠した賞が発表になっていて、そのあまりのヤラせかげんに、きっと鮎川信夫氏も天国で泣いていらっさると思われる。

授賞者がどのレベルかは知らないが、思潮社の、この賞の「作り方」としては、有名人などを候補者に配して、賞の権威をわざと高めているらしいのがミエミエの「候補者」である。

 

1,和田忠彦氏(有名なイタリア文学者)『遠まわりして聴く』。これは、対談集であって、賞の対象を唱っている、「詩論集」でも「詩集」でもない。ただ、「対談相手」に詩人の清水哲男氏がいる。(ご著者ご本人より、コメントいただき、読まずに書いてしまったことを大変恥ずかしく思っています。Facebookの知識だけで、対談集と勘違いしておりました。興味はあったのですが、購入までいたらず、まことに申し訳ございませんでした。一種の詩論集ということでした。それなら十分、鮎川賞の対象にはなるものですね。受賞作には目を通しておりますので、なんというか、一般読者としては、こういう高名な方々を、「わざと」並べているようにも見えたものですから。それと、四方田氏の感想等は、たしか、林達夫と比べているものだったと思いますが、私もかつては林達夫のファンだったのですが、たとえば、「思想の運命」などを今読み返してみると、大して重要な思想家でもないように思いました。当ブログ、どこともリンクさせてなく、ここのみで、Amazonに書いたものを貼っております。Amazonレビューはのちほど訂正しておきます。ついでながら、Amazonにございましたら、買わせていただきます。なんとなく、関心はあったのですが……(笑)。アカデミックな世界の方は、なんか敷居が高くなってしまって……(苦笑)。取り急ぎ、本文訂正にてお許しくださいませ

 

2,佐々木幹郎氏『中原中也』。これは、評論かもしれないが、すでに定評ある、岩波新書の一冊である。

 

3〜4? ほかは忘れてしまったが、思潮社で出した、詩集などが二冊以上含まれている。

 

結果は、評論としてはどうかと思われる評論集(思潮社以外から出版)と、思潮社刊の詩集が受賞となった。毎回、あまりにミエミエな候補(有名人は「飾り」なので、落選させる(笑))である。

 

賞金は、いまどき、地方の賞でも100万円出しているのに、たった50万円で、授賞者が二人の場合は、分割(爆)。

受賞式は、7000円の会費をとって、学生会館で行われる。「現場」には行ったことはないが、ただ、行った人がネットに載せていた写真を見るかぎり、ろくに食い物もないようなショボさであった(笑)。

 

いつまでこんなことが続けられるのか? 発行部数は1000部以下と推定されるが。選考委員は、北川透と吉増剛造に固定されているが、なぜその本が受賞になったかは、「ごにょごにょごにょ……」(爆)で、毎回不明である。もしかして、あらかじめ、思潮社が今回はこれと、印でもつけてあるのか? 北川透氏など、真正面から写真はまったくなくて、いつもうつむいている。よほどなにかやましいことでもあるのか(爆)?

 



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【詩】「ランボーが残した5000行」 [詩]

「ランボーが残した5000行」

 

私のなかで、ランボーはレオナルド・ディカプリオの姿をとって、

黒髪、濃い眉の、蓮實重彥に言わせれば、「許しがたい容貌」のロマーヌ・ボーランジェ嬢を嫉妬のるつぼに突き落としている。

太陽と月に背いて、宇宙の法則に背いて、人間という概念に背いて、

十六歳から十九歳まで

たったの5000行を残したきり。

そして私はまた、その年齢にふさわしい、おフランスの

小僧っ子が「地獄での一季節」を朗読しているのをiPodで聴いている。まるで泥のつぶてを投げつけるように読んでいる。

彼はなにもの? おそらくアルチュールだ。

「ラシーヌ、ふふんだ、ヴィクトル・ユーゴー……溜まらない」

ドストエフスキーはロシアで、「悪霊」を書き始めていた。

ボードレールはとっくに死んでいた。

のちに「プルースト」と呼ばれる赤ん坊がちょうど生まれたところだった。



 


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