【詩】「ねじの回転」 [詩]
「ねじの回転」
「盆の祭り(仮りに祭りと言うて置く)は、世間では、死んだ聖霊を迎えて祭るものであると言うているが、古代において、死霊・生魂に区別がない日本では、盆の祭りは、いわば魂を切り替える時期であった。すなわち、生魂・死霊の区別なく取扱うて、魂の入れ替えをしたのであった。生きた魂を取扱う生きみたまの祭りと、死霊を扱う死にみたまの祭りとの二つが、盆の祭りなのだ。」(折口信夫「盆踊りの話」『古代研究Ⅱ』(角川文庫所収)
ゆくりなく訪ひしわれゆゑ、山の家の雛の親鳥は、くびられにけむ
鶏の子のひろき屋庭に出てゐるが、夕焼けどきを過ぎて さびしも
釈迢空(折口信夫)
藤原京はさびしさに覆われ、建設が進められた。これからできるのは、中国の都を模した都。その中心には、「天皇」の御殿がある。周囲には、「国」のため「生産」に励む人々の住む場所が配される。
ここに、街を作ろう、街、ふるさと。(「ひょこりひょうたん島」主題歌より)
そうだ、わたしも歌を添えよう。うた、私のうた。
やまざくらいかなる花を契りにてかばかり人の思(おもひ)そめけむ
建久元年、西行師が71歳で逝かれた。わたしはまだ、27歳だった。この二年、日記を書いていない。
さらさらと、さくらのはなびらは、死者も生者も分け隔てせず、舞い踊る。たららー、たららー。
わたしの魂は、あっちこっち、過去や未来をいったりきたり。奈良県橿原市の土を穿つ──
こころは肥大して、個人のべつをなくし、地球を覆う。
地球は小さなお星さま。
モンスリ公園の中だった──レミ・ド・グールモン……だったかな。
ここに、街。ふるさと〜。