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『ネットワークがよくわかる教科書』(福永 勇二 著、SBクリエイティブ、2018年9月21日刊)──20年前に誰もが知っていたことしか書いてない(★) [Book]

『ネットワークがよくわかる教科書』(福永 勇二 著、SBクリエイティブ、2018921日刊)

 

(自分で買ったのではなく、Amazonが、Vineメンバー(という制度があるんですが。どういう人に資格があるのかというと、レビュー順位が上位+たくさん購入している客(笑))にタダで供与されるレビュー品です。)

 

 20年以上前からホームページを、自力で作っているので、昔は、この本にもっともらしく章立てで書いてるような事柄は、こうしたことに携わっている人々にとっては「前提」であった。とくに、コンピューターと通信は、まったく違う分野であるということは、深く認識していなければいけなかった。でないと、不具合の場合も、対処のしようがない。いま、誰もがスマートフォンを持ち、インターネットを覗いたり利用しているが、こうした知識はまったくないのかもしれない。それにしても、である。もっと違った切り口があったのではないか? こういうことをハナから知らない人は、たぶん、まったくなんのことか理解できないし、こういうことがあたりまえの人には、なんの意味もない本なのである。



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【詩】「危険な情事」 [詩]

「危険な情事」

 

ええと、グレン・クロースは、「その後」改心して、いまは、作家の、それも、ノーベル賞受賞作家の妻役で、どうもほんとうは、その作家の、ずばりいうけど、代筆!をしていたみたいなのだ。こういうのは、これまでも、分野は絵画だったりするけど、よくあるハナシで、陰で支える妻なのだけど……。私はそのノーベル賞作家もよく知らないので、ほんとうのところどうなのか、結末というか、結果まではよくわからない。思うのは、大したもんだよ、グレン・クロースである。あるときは、ずっと男性のふりをし通して身を守るレストランのウェイター役だったり、かわいいわんちゃんの毛皮をほしがる怖いオバサンだったり。しかし、その怖さは、あの役でできあがってしまったのだ。そう、『危険な情事』。マイケル・ダグラスがふとした出来心で、おひとりさま中年女に手を出して、とんだめに合う。ストーカーなる言葉は、この時できあがったような……。ほんとうは、ジョン・バースが小説の中で使っているけど、それは、今いう、しつこく追い回す者の意味ではなかったような……。

 

そして2019年度のアカデミー賞ノミネート予想に、晴れやかに登場のグレン・クロース。作家を陰で支える妻。もう男は追いかけない。いや、追いかけてる。そのノーベル賞作家の人生をね。かくまで執拗に。

 

女は、男が地中深く埋めたものを掘り出す

と、トム・ウェイツは歌っている。

 

女は、男が絶望の谷へと深く沈んでゆくとき、そこから浮かび上がってくる──

 

ああ、そのさわやかな断髪。ふふふ、小説など

いくらでも書いて、あ・げ・る。

 

危険な、危険な、危険すぎる

情事

わが国では、大江健三郎とか川端康成

あちらでは、カズオイシグロ

 

とりわけ美しいわけではなかった、とくに、

そそる女でもなかった。トシだし、ものほしげだし、

マイケル・ダグラスは、一時セックス中毒というウワサがあった、というか、自ら告白したのだったか?

とにかく、そうした状況で、なにかの過ちで、

そのオバハンに手をだしてしまった、

それがジェットコースターより心臓をどきどきさせた、

いま、そんなオバハンと、文豪を陰で支えるバーサンがミックスされて、

 

サンズ、もとい、三途の川から豪華客船に乗ってやってくる。

 

****

 

(写真は、パリ、マドレーヌ寺院のクリスマスの日の内部)

 

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【詩】「ラフォルグは27歳で死んだ」 [詩]

「ラフォルグは27歳で死んだ」

 

冬が来る、と、ラフォルグは詩に書いた。それはそのまま終末の気配をまとい、100年以上が過ぎてしまった。訳者、吉田健一は、ボードレールよりラフォルグを買っていて、私の仏語教師の女性は、大学で仏文学を教える教授だが、彼女に贈った私の詩集の、子どもの頃貧しかったと書いた詩にとくに眼を留めていて、なにかのおりに電話で話すことのあったとき、「ヴェルレーヌもそうだったのよ」と言った。そんな数行など埋もれてしまうほどの量の言葉を詩のなかに書き込んだと思うが、今年の年賀状にも、「ヴェルレーヌの夢が結ばんことを!」てなことが書いてあった。つまり、貧しい出自ではあるが、ヴェルレーヌのようなりっぱな詩人になって、ということか。ヴェルレーヌって、誰だっけ? と私は思った。アプリ版「大辞泉」で調べてみると、ああ、ランボーの「恋人」だった男か。彼をピストルで撃ち損ねた事件で投獄され、神に帰依した。「象徴派」の詩人。「象徴派」などと、「流派」に分けられるのは、フランスの詩人だけ、と、T.S.エリオットは書いている。果たして、いま書いている詩を含む詩集を、件の仏語教師に贈るべきか。いや、今回はやめておこう。あの学校では「フランス語の文学を読む」クラスとして、「入門書」ばかりあげている。『悲しみよ、こんにちは』だとか──。

L'hiver qui vient

冬が来る

いずれにしろ、詩はもうどこにも残っていない。

*****

(写真は、パリのパサージュのひとつ)


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【詩】墓掘りのバラード [詩]

「墓掘りのバラード」

 

オフェリアが美人だったかどうか、私の記憶では、シェークスピアは書いていないと思う。ただ気が狂って花々を摘んでいて川に落ち、溺れ死に、胸に摘んだ花々を抱えて流れていった──なんと美しい光景──、だから画家が絵にしている。川流れのブージュ……だったか。ルノワールの映画を思い出す。山高帽の自由人のオッサンが三揃えのスーツで川を流れていった……

よいころさ、ラムがひと瓶と

 

ハムレットの「ご学友」、ローゼンクランツとギルデンスターンが通りかかると、墓掘り人が歌っていたノノみろ、この女は、生きていた頃は美しかったんだ、と、髑髏を持ち上げていう、

ハムレットは、その髑髏が、かつて愛した女だとは知らず、

はたして、オフェリアは、どんな女だったのか?

『雨の夜三十人のオフィーリアが帰ってくる』という芝居を観たことがあった。古谷一行が意外にも短足だったのに驚いた。鳳蘭も出ていたような……。大がかりで、つまらん芝居だった。あれは……新国立劇場だったか──六本木ヒルズ近くの──

多くの劇場が、頭のなかでごっちゃになっている、

わけではない。

シェークスピアは、ト書きに、「美人」などと書いたことはない。近代劇ではないので、ト書きはほとんどない。ハムレット入場、などと書いてあるだけだ。

そして、ジャック・ヒギンズの『鷲は舞い降りた』を開けば、ふたたび、墓掘りに、なにか問うことになる──。

 

よいこらさ、ラムが一瓶と。

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【拙訳:『失われた時を求めて』「スワン家の方へ」2】 [拙訳]

【拙訳:『失われた時を求めて』「スワン家の方へ」2】

 

Que vers le matin apres quelque insomnie, le sommeil le prenne en train de lire, dans une posture trop differente de celle ou il dort habituellement, il suffit de son bras souleve pour arreter et faire reculer le soleil, et a la premiere minute de son reveil, il ne saura plus l'heure, il estimera qu'il vient a peine de se coucher. Que s'il s'assoupit dans une position encore plus deplace et divergente, par exemple apres diner assis dans un fauteil, alors le bouleversement sera complet dans les mondes desorbites, le fauteil magique le fera voyager a toute vitesse dans le temps et dans l'espace, et au moment d'ouvrir les paupieres, il se croira couche quelques mois plus tot dans une autre contree.

 

眠れない時間を過ごしたのち朝を迎え、本を読んでいるうちに眠ってしまい、いつもの眠る姿とはまったく違った姿勢、太陽を遠ざけるために腕を上げてさえぎっているのだが、目覚めてすぐの瞬間で、何時かはわからないで、きっと床に就いたばかりだと考える。まったくいつもと違う、思いも寄らない寝姿でうとうとする、たとえば、夕食のあと、肘掛け椅子に座っていて、軌道を外れた世界の大混乱が完全に起こり、魔法の肘掛け椅子が全速力で時間と空間を旅する、そのとき、まぶたが開かれ、自分はどこかほかの星で数ヶ月早く寝たのだと考える。

 

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七草ご飯 [料理]

「七草」(せり、なずな、ゴギョウ、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ)ご飯、豚バラ、豆腐のステーキ、根菜とあぶらげの味噌汁。





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【詩】「畠山みどり『ちょうど時間となりました』、あるいは、ジャック・タチ『プレイタイム』」 [詩]

「畠山みどり『ちょうど時間となりました』、あるいは、ジャック・タチ『プレイタイム』」

 

去年(2018年)の暮れ、マイ・ライブラリーから、村田英雄関連で、畠山みどりがついでに出てきた。そして、古い、VHSを探っていたところ、テレビで録画して忘れていた、ジャック・タチ『プレイタイム』も出てきた。ので、なんとなく、さうだ、この二つをシェイクして、詩を作ろうと思っていたのが……VHSプレーヤー(数年前、Amazon購入の中古)を作動させようとするも、長い間使ってなかったせいで、やり方がわからず(笑)、ガチャガチャやっているうちに、犬がそれに向かって吠えだして、ああだ、こうだ、で、寝ていた家人が起き出して怒り、しかたない……ってな感じで、急遽、Amazonで、同映画のDVD購入、パソコンで途中まで観た、というわけだ。一方、犬の散歩で、畠山みどりの『ちょうど時間となりました』を聴き、この声はどう聞いても、私の耳にはトランスジェンダーの声に聞こえ、そう、この曲が発売された1962年には、トランスジェンダーなる言葉は存在しなかったナ、と思った。

 

「貫一さ〜ん♪ 下駄で女を蹴るなんて〜、明治時代でよかったネ、い〜まじゃたちまち吊し上げ」と、畠山は歌うが、この「いま」って、1960年代でしょ? やっとウーマンリブが始まった頃だと思うが、そう、今(2018年以降)じゃ、「吊し上げ」どころか、「犯罪者」ですわナ。と、そういう60年代に、ユロは存在し、パリ万博のような街を、右往左往する──。

 

   まどに手づから薄様(ウスヤウ)をすき  野水(名残表十)

 月にたてる唐輪の髪に赤枯(あかがれ)て  荷兮(名残表十一)

   恋せぬきぬた臨済をまつ  はせを(名残表十二)

 

自ら漉いた紙を障子に張り、そこに小鳥の遊ぶ姿を見る。いずれ、女は老婆、かさかさの髪が月明かりに照らされ、待っているのは恋ではなく、聖人さまのお姿……ってな情景?

 

月日は流れ、婆は残り、

 

「一日に二本だけ、煙草を吸わせて」(森進一『東京物語』。ちなみに、さだまさしにも同名の曲があるが、まったくベツモノであるばかりか、似たところがほとんどない曲)、そのうち

「江ノ島が見えてきた、オレの家も近い」ということになれば、名曲『勝手にシンドバッド』で、これはきっと、ピンクレディの『渚のシンドバッド』のパロディで。そして「まだ、あった」「紅白」ではそういうことになって。きっと未来人がこの詩を読んだら、なんのことかわからず、とくに「紅白」って言葉が。

「紅白」と言えば、まんじゅう。美輪明宏が着流しで「ヨイトマケ」の歌を歌ったこともあった、当然「白組」で。その昔、ラジオから始まったと思うこの「番組」は、「紅白」は、性別で分けるのでなく、地域、漫才大会が今行っているように、東西で分けた。ちょうど、静岡と愛知がその境で、両親が、この両地それぞれの出身の私は、東西に引き裂かれた、バイリンガルなのだった。

ちなみに、ジャック・タチは、ロシアとオランダ。そして、フランスの週刊誌、『L'express』、2018年最終号は、「この60年の、フランス人民と大統領」特集をしていて、いわく、

「フランス人にとって、よい大統領とは、引退した大統領であり、すぐれた大統領とは、すでに死んでいる大統領である」ぬあんて、言葉を載せている。さすがおフランス。さて、マクロンの次わあ?

ちょうど時間となりまーしたあ〜♪


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妹、小林貴子の今年最初の作品 [絵画]

実家付近の、東海道のそばを流れる、豊川(とよがわ)。


 


2019.1/2


River


Oil on canvas


50×65.2cm


 


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【映画2018ベスト10】 [映画]

【映画2018ベスト10】

 

2018年、劇場で観た映画は、ちょうど50本。ピックアップしてみると、2017年に比べて充実した内容であった。ベスト10を選ぶために、よいものを抜き出してみると、17本あった。日本映画は数本観ただけだが、食指をそそるものがなかった。日本映画は、国と同様に、世界から大きく引き離されているような感じを受けた。世界が、なにか大きな問題に立ち向かっていく時、日本映画は、男女のぐちゃぐちゃなどに拘泥しているようにも見える。

ワタシ的には、これを選んだら映画通に見えるとか、りっぱに見えるなどという基準は捨てて、ただ単に、インスパイアされたもの順にかぎった。そして、頭の隅に残り、あとで何度も思い返すような、あるシーンがふいに脳裡に浮かんでくるような映画を選んだ。クリント・イーストウッドの、あっさりと描いていく手法は、ブラッドリー・クーパーがしっかりと引き継いでおり、男優では、ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリンの、中年、男臭さが全面に出た年であった。女優は、レディ・ガガの新鮮さ、サンドラ・ブロックと、エマ・ストーンのど根性、とりわけ、テニスプレイヤーで、オッサンと戦う、ビリー・ジーンを演じたエマ・ストーンの、本気の目つきには、いまだに勇気づけられる。オッサンはプレーヤーは、「どうせ女が相手」だと、テキトーに怠け、エマは特訓を積む、そのなにげないシーンも印象に残った。

 

1『アリー/ スター誕生』(ブラッドリー・クーパー監督、2018年、原題『A STAR IS BORN』)

 

2『15時17分、パリ行き』(クリント・イーストウッド監督、2018年、原題『THE 15:17 TO PARIS』)

 

3『ボヘミアン・ラプソディ』(ブライアン・シンガー監督、

 2018年、原題『BOHEMIAN RHAPSODY』

 

4『バトル・オブ・ザ・セクシーズ 』(ヴァレリー・ファリス  ジョナサン・デイトン監督、2017年、BATTLE OF THE SEXES)

 

5『華氏119』(マイケル・ムーア監督、2018年、FAHRENHEIT 11/9))

 

6『オーシャンズ8』(ゲイリー・ロス監督、2018年、原題『OCEAN'S 8)

 

7『トレイン・ミッション』(ジャウマ・コレット=セラ監督、2018年、原題『THE COMMUTER』)

 

8『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』 (ステファノ・ソッリマ監督、2018年、原題『SICARIO: DAY OF THE SOLDADO』)

 

9『判決、ふたつの希望 』(ジアド・ドゥエイリ監督、2017年、原題『L'INSULTE/THE INSULT』 

 

10『オンリー・ザ・ブレイブ』(ジョセフ・コシンスキー監督、2017年、原題『ONLY THE BRAVE』)

 

(次)『ロープ/戦場の生命線 』(フェルナンド・レオン・デ・アラノア監督、2015年、原題『A PERFECT DAY』)



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あけまして、おめでとうございます。 [料理]

「おせちは、きれいに作って、きれいに食べること」土井善晴。

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