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『メン・イン・ブラック:インターナショナル』──ま〜つりだ、まつりだ♪(★★★★★) [映画レビュー]

『メン・イン・ブラック:インターナショナル』( F・ゲイリー・グレイ監督、 2019年、原題『MEN IN BLACK INTERNATIONAL』)

 

 だいたい映画に何を期待して行くかと言えば、役者である。どんなにすばらしい脚本、演出も、役者がダメならダメになるし、役者を見いだし得なかったら、もう成立しない。その点を、よく呑み込んでいるのが、スピルバーグも制作総指揮に加わる本作である。私は第一作と、第四作である本作して観ていないが、今回観ようと思ったのは、キャストのためである。まず、クリス・ヘムズワース。捕鯨の時代モノ(笑)では、ただの美丈夫と思ったが、女たちだけの『ゴーストバスターズ』では、そのうるさ型女たちに雇われる、イケメン電話番。おちゃらけ踊りまで披露して、新キャラ開拓と見たが、本作では、そのキャラをさらに深めている。よく見れば、超いい男である。ワルモノの、元カノの要塞に乗り込むのに、ピンクのズボンを穿いていく。これがよく似合う(笑)。顔も美しいが、体のラインがこれまたすばらしいのである。これで、おとぼけテキトーできる男を演じるのだから、たまらない。この敏腕エージェントの彼の相棒の新人エージェントを、ヘムズワースとは実は同い年の36歳ながら、小柄かつ童顔ゆえか若く見える、黒人テッサ・トンプソン。色を売らない、知的な雰囲気が新しく、監督のF・ゲイリー・グレイも、黒人なので、このキャラクターは新しい黒人女優像として期待がもてる。とくに頭抜けて美人でもスタイルがよいわけでもないが、どこか魅力的である。

 上司には、エマ・トンプソン、リーアム・ニーソンを揃え、かつ、ヘムズワースの元カノにして、チョー悪女で、往年の緑魔子、奥村チヨを思わせる髪型で、多少美貌を隠しぎみの、レベッカ・ファーガソン。かてて加えて、宇宙人どものキャラもたっていて、まあ、ストーリーはテキトーながら(笑)、満足感がある。まー、オトーサン、オカーサン、そんなに目くじらたてるこたあないじゃないの、ってな、映画。

 本作の「隠れた主役」は、当然、ブラック・スーツである。ブラック・タイと白シャツも忘れずに。そして、サイズは、きっちり体に合っていること。




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【Amazonレビュー】『プログラミング入門講座——基本と思考法と重要事項がきちんと学べる授業 』(米田 昌悟 (著)、SBクリエイティブ刊)──プログラミングを「学ぶ方法」の「紹介だけ」(★) [Amazonレビュー]

『プログラミング入門講座——基本と思考法と重要事項がきちんと学べる授業』(米田 昌悟 (著)、 2016年9月28日 SBクリエイティブ刊)

 

「この本を読んだだけでは、プログラミングは学べません。実際にアプリケーションなりを動かすことによって学ぶことができます」みたいな「忠告」が、表紙近くにあるが、学び方(アプリやスクール?)の紹介しかなく、そこまでさえも、たどり着くのに、何十ページも、「プログラミングを学ぶ意義」を延々と述べている。まったく知らない人には、この一冊でなんとかなると誤解させる。そもそもプログラミングとは、いかに機械語をマスターし、実際にコンピュータ内で機能させるかを学ぶことで、いわば、「各論」しかないことを知っておかねばならない。

本で勉強するなら、「JAVA入門」みたいな、ブルーバックスをオススメします。


 


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【詩】「石原慎太郎『太陽の季節』」 [詩]

「石原慎太郎『太陽の季節』」

 

江ノ島が見えてき〜た、オレの家も近い(クワタケースケ、オオトリケースケとは違うヒトです)

江ノ島とか

鎌倉とか

ヨットとか

ギターとか

加山雄三とか

アデランスとか

加瀬邦彦とか

そーゆー

お坊ちゃま文化があり、

地方の田舎のやつらには

なんか手が届かない

歎きの壁のような

排除構造があり

その一角で青春を送った

石原慎太郎が書いた処女

小説で「文學界」新人賞からそのまま

芥川賞になり、映画化され、弟の

裕次郎を主役にし、

裕次郎はそのまま

スターになって

金持ちは金を呼ぶ

社会そのまんまに

サーロインステーキ症候群みたいな

病に倒れ、石原プロは裕次郎よりイケメンの

渡哲也に引き継がれた、渡も、「兄弟」で

芸能界などで稼いだが、渡の出身地は、

玉ねぎで有名な

淡路島だ。江ノ島とは意味合いが違う島のね

石原慎太郎の名前は、いまだ、

お貧乏な純文学ザッシに載れば、

売れる? のかどうか、

最近も載っているのを見た。でもさー、

このヒト、『太陽の季節』以上の作品

書いてないぜ。

それを読んだヒトも、そうそういないのでは?

私は読ませていだきました。すごい小説です。

こんな小説、ラディゲだって書けんでしょう。すごい場面があります。ナニで襖を突き破るシーンです。あれは、

実際にやったことなんでしょう。あんな

バカなことは、

江ノ島のオボッチャマしかやらないでしょう。しかし、

クワタケースケは、もっと賢かった。しかし、

文化勲章で戯れるくらいなら、辞退した方が、

かっこよかったのにね。まあ、

あたしら、痴呆……あわわ、地方の

少年少女だったものには、あんまり

関係のないハナシですが、あたしなんか、

熱海の海岸の方がいいと思いますがね。

弁天島(静岡県浜松市)が見えてき〜た

あたしの家も近い〜

男に生まれなくて

よかった

death

 


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【詩】「ユリシーズ」 [詩]

「ユリシーズ」

 

ああ、また、ユリシーズの日がやってくる。堂々とした押し出しの、バック・マリガンが、ガウンをなびかせて、彼らの下宿である塔の螺旋階段を下りてくる。朝のマイルド・ウィンドが、ふんわりと、ガウンの裾を持ち上げる。マリガンは、片手にひげ剃り道具の、カフェオレボールみたいなボールを持って、その上に、鏡と剃刀を十字形に置いて……なにやらわけのわからないラテン語を口走る。

「キンチ、上がって来い、この恐れをしらぬイエズス会士め!」そう、スティーブン・ディーダラスに向かって言う。それから先は、丸谷才一氏におまかせします。むしろ訳なんてどーだっていい、要は、19222月に、パリの、シェークスピア&カンパニーから、ジョイスの『ユリシーズ』初版本、1000部が出たということ。1000部って、少ないみたいだけど、けっこうな数じゃないか。いま、マリガンなんて名前を聞くと、丸顔童顔の女優を思い出す。そして、バック・マリガンの役にふさわしいのは、ラッセル・クロウかな、などと考える。

ホメロスの『オデュッセイア』は読み通したが、ジョイスのこれは、ついぞ読まないまま、本だけ黄色くなっていった。そして浮かぶは、テオ・アンゲロプロスの『ユリシーズの瞳』のハーヴェイ・カイテルの揺れるでかまら(パリで観たから無修正だった)。そう、最後のページだけは知っている。レオポルド・ブルームの妻の意識。Yes because he never did a thing like that before as ask to get his breakfast in bed with a couple of eggs since the City Arms hotel when...改行句読点なく46ページ続き、yes I said yes I will Yes.

 

で、終わる。彼は、これを、トリエステ、チューリッヒ、パリで、1914年から1921年までかかって書いた、と記してある。

 

「実際の」オデュッセウスは、魔女の呪いにあって、10年の間、海を漂う。神話か創作か、神話をもとにした創作か。

いずれにしろ、オデュッセウスに、「実際」は、ないだろう。

 

私のペンギン版『ユリシーズ』は、表紙を犬に食われてしまった。オデュッセウスが故郷に辿り着くと、犬だけが、彼と気づく。


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【訳詩】フランシス・ポンジュ「オレンジ」 [訳詩]

フランシス・ポンジュ「オレンジ」

 

スポンジの内部のようにオレンジの内部には表出を被った後の中身をふたたび獲得しようとする吸引力が存在する。しかしスポンジが常にその獲得に成功しているのに対してオレンジは成功したためしがない。なぜなら、オレンジの房は破壊され、組織は破られる。なるほど、弾性のおかげで皮だけがその形状を回復する一方で、琥珀色の液体が甘美な香りの涼やかさに伴われてまき散らされる──しかししばしば種たちの未成熟な退去への苦い意識にも伴われて。

 

 

(第一連、『物の味方』(1942年)より)

 

 

FRANCIS PONGE  "L'0RANGE" 

 

 

Comme dans l'éponge il ya dans l'orange une aspiration à reprendre contenance après avoir subi l'épreuve de l'expression. Mais où l'éponge réussit toujours, l'orange jamais : car ses cellules ont éclaté, ses rétablit mollement dans sa forme grâce à son élasticité, un liquide d'ambre s'est répandu, accompagné de rafraîchissement, de parfum suaves, certes, ___ mais souvent aussi de la conscience amère d'une expulsion prématurée de pépins.

 

 

"Le parti pris des choses" (1942))




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【詩】「プルーストの記憶」 [詩]

「プルーストの記憶」

 

ひえだのあれの『古事記』、あるいは、ホメロスの『イリアス』、『オデュッセイア』、あるいは、ボルヘスの「不死の人」

ではないが、プルーストの

『失われた時を求めて』を全文、もちろん仏語で、

暗記しようと思っている。その甘い夢、

いまそらで書くと……

Longtemps je me suis couche tard...

「記憶で語るのが正しい」とソクラテス先生は言ったそうな、

『記憶よ語れ』はナボコフの自伝のタイトルである、

コミュニズムになって亡命

アメリカへ行くために、膨大な

ヨーロッパ及びロシア文学の

講義原稿を作っていったナボコフ。

アメリカの大学に就職、しばし働いたが、やがて

『ロリータ』の成功によって、大学の仕事を辞し

専業作家となる。

『ロリータ』はパリだったかの、

ポルノ専門の書店から出た。

日本でいえば、『O嬢の物語』を出した

二見書房のような

渋澤龍彦訳のこの本を、私は何度も読み、

欲情した。これほど扇情的な文学はない。

なにせ女を調教。肛門の穴を拡げさせるため、

常に、穴に器具を挿入した状態にする

下着を常時着けさせる。そして、

卑しい下男に犯させる。そして、

記憶しているかぎりの最後の一行は、

「こうして革命が始まった」

だったか。そんな感じ。記憶で語れば、

『失われた時を求めて』は、

一編の詩。


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【詩】「それをお金で買いますか?」 [詩]

「それをお金買いますか?」

 

いちご

麦わら帽子

天使

思い出

記憶

詩集の装丁

賞讃

友情

憎しみ

花壇

りんご

Twitterのフォロワー

SNSのフォロワー

信用

つけまつげ

芸能界デビュー

社交界デビュー

政権

石鹸

空海

真言宗

留学

僧の留学

地球

宇宙

終末






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福岡市美術館のお宝 [アート]

いつも犬の散歩で通る、福岡市美術館が、リニューアルオープンにともない、お宝を公開した。絵葉書になっているものは、ほんの一部だが、ミロ、シャガール、ダリ、バスキア、藤田嗣治、三岸好太郎、など、すべて大作がすごい。とりわけ、新しい作家は、前衛までカバーしている。入場料200円の大盤振る舞い。クジ付き。すごいぞ、福岡市。公開は、三月から五月まででしたが。自然の公園も豊かで、よいところに住んでいるナ>自分


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「夏句三題」 [俳句]

「夏句三題」   


 


   城跡をめぐる茂りやひかりみち


 


                        (季語:茂り)



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   ***


 


          夏草や鴉は二羽で行動す

                  (NYPDの刑事か(笑)



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   ***


 


        あの映画星付けすぎた夏木立


    (『誰もがそれを知っている』ですけどね〜)

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