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『SHADOW/影武者 』──あの赤、さすが中国のスピルバーグ(★★★★★) [映画レビュー]

『SHADOW/影武者 』(チャン・イーモウ監督、2018年、原題『影/SHADOW』
三国時代、日本で言えば、弥生時代で卑弥呼が活躍(笑)、西洋は、ローマ帝国の時代である。そんな時代の、国盗り物語の一エピソード、腕も頭もたつ、重臣の一人が、国を取り返そうとする話をベースに、おのれの影武者を作り、彼を、相手国の王と戦わせる。しかし……影武者、影であったものに、「本体」を取られるまでを描く。
 妻夫木聡に風貌ちょい似たりの、影武者と、とんでも爺に見える「本体」の重臣・都督を演じるダン・チャオがすばらしい。似ているから影武者なんだろうが、実際、全然似てない(笑)。
 多くのレビュアーが、水墨画とかモノクロとか書いているが、私にはそうは見えなかった。黒は、ネイビーであり、ブルー、水色などが、無限のグラデーションを作って、王宮や市街、隠れ家、湖、雨などを表出している。敵方の、刀というマスキュランな武器に対して、影武者と常に「夫婦を演じさせられている」、都督の妻が、自在な、傘という、フェミナンな武器を思いつく。その傘の動きが、本作の見せ場である。ブーメンランのような武器を仕込んだ傘が、雨の戦場で舞う──。そして、おそらく、この「赤」を目立たせるための、暗い色使いであったことがわかる。すなわち、戦場で流される血である。それだけが赤く美しく、流れていく。さすが中国のスピルバーグ。





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