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ゴダールの言葉 [映画監督]

「映画は、あなた方が毎日Facebookで見ているような、撮られて見せつけられすぎているものではもはやなくて、撮られていない、FB上では決して見ることのできないものである」(ゴダール@FaceTime記者会見より)


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ゴダール最新作『Le Livre d'image』(「イメージの本」?)ついて──ゴダールはどんどん新しくなる [映画監督]

ゴダールの新作『Le Livre d'image』(「イメージの本」?)の予告篇、といっても、ほんのさわりにすぎないが。これは、カンヌ映画祭のコンペティション作品に招待されている。

「シノプシス」の紹介によれば、かなり長い序章と、5章のエピソードで構成されていて、その5章は、「さながら5本の指のようである」。事実、「予告篇」の序章も、一つの手、人差し指が天を差している画像で終わる。このふくよかな指は、私には、レオナルド・ダ・ヴィンチ作『受胎告知』で、マリアの受胎を告げる天使ガブリエルのひとさし指が天を差している手に思われた。夥しい言葉の引用で知られるゴダール作品であるが、「絵」(イマージュ)をも引用しているようだ。

1968年の「五月革命」の直後に作られたのが、『東風』(Le VENT D'EST)で、カンヌでは、壮年のゴダールと、童顔のトリュフォーが、68革命の労働者、学生に、「連帯する!」という表明をしている。この時、映画の中にもあるように、風は「東から吹いてきた」。

今回のカンヌ、『西風』という5分ほどの「短編」が、ゴダール作かで話題になったが、これは、ゴダールに捧げられたパロディというか「前座」であるようだ。『東風』には全然似てなくて、『軽蔑』のはじまりに似ているとニュース記事にあった。

さて、新作『Le Livre d'image』であるが、これこそ、68年の『東風』を意識して作られたものだと思われ、やはり、「革命」がテーマで、それは「68年革命」から50周年を意識して作られたと思われる。というのも、今度の「風」は、「西」から吹いていて、それゆえ、例のパロディも当を得ているわけで、それは、架空の首長国の、架空の革命、油田に関する物語であるようだ。

作風は、『東風』とは大きく変わって、デジタル文字列が現れたり消えたりが、情動的な音楽とともに示され、それらは、赤と青、とりわけ印象的な青に染められる。その青は、ゴダール・ブルーと言ってもいい、独特な、内から輝くようなミッドナイトブルーを含んだような青である。

これだけではなにも言えないが、すくなくとも、もったりと、革命に関するテキストが朗読されていく、森の中のピクニックといった感じの『東風』と比べると、隔世の感がある。ゴダールは、その時代とかなり密着して作品を作るので、過去の作品は、陳腐に見えるものがある。ゆえに、新作は、まったく新しい感じがした。

 

http://www.allocine.fr/article/fichearticle_gen_carticle=18672648.html

 

 

http://www.lemonde.fr/m-actu-chroniques/article/2018/05/10/il-est-comme-ca-jean-luc-godard_5297212_4573473.html


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オリヴェイラ監督(私なりの)追悼 [映画監督]

 ポルトガルの、マノエル・ド・オリヴェイラ監督が、知らない間に(笑)、106歳でお亡くなりになっていたそうですけど、この監督、晩年(といっても、すでにして、ものすごいトシですが)の作品は、やはり、クロサワやホロヴィッツを思わせるものでした。「ブランド」監督なので、観るには観ましたが、題名すら忘れました(笑)。それほど多くは観てませんが、あの~『クレーブの奥方』ですか、マルチェロ・マストロヤンニとカトリーヌ・ドヌーブの娘のキアラ・マストロヤンニの品のよさが印象に残ってますが、こういうのは、はっきり言って、よくわからなくて(笑)、途中、眠ってしまいました。眠りを誘う、作風だったことは確か(笑)。不謹慎にも(笑)が多いですが……。


 蓮實重彦とかが、延々と彼のすばらしさについて書いた文章を本で読んだような、飛ばしたような気もするが、どーなんでせう? やたら、映画を「お芸術」の祭壇に上げてしまう人々がいます。たいてい、私は寝てしまっている映画です。でも、観ておかないと、何か言えないし……で、一応観るんですが。その昔、アテネフランセで、映画評論家の佐藤重臣(こういう名前だったかな~?)ってひとが「プライベート」で持っていたフィルムが公開されて、観たことがありますが、一つは、「ウィンドウ・ウォーター・ムーヴィング」(これはユーチューブでも公開されていました。今は知りませんが)という、水中出産で、赤ん坊がこの世界へ出てくるところを、「大写し」で撮ったフィルム。もう一つは、テストパターンのくりかえしのようなフィルムで、佐藤重臣は、「目がいとーて、いとーて」と言ってましたが、『チャクラ』『アラウラ』という題名がついていました。曼荼羅体験のようなものだったんでしょうか?


その後、「映画評論家」の悲惨な最後のそのひとり(もうひとりは、増田貴光(こういう字だったか(?)で、いいかげんなことは書けないので、具体的には書きませんが)で、たしか、永井荷風みたいな死に方をしていたとか……。まあ、「永井荷風みたい」だったら、本望だったのかも……。


で、今は、松尾スズキの映画によろこんでいる志の低い私です。松尾スズキはオリヴェイラ監督と比べれば、「くず」です。でも、「くず」だって、おもしろければいいっていう観客もおります。オリヴェイラ監督のご冥福をお祈りします。


 どこか、真夜中の、小間物屋みたいなところで、ばったりお目にかかれるような気もしています。


 http://www.asahi.com/articles/ASH4276KDH42UHBI02Q.html

 

 


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ゴダール最新作 [映画監督]

カンヌ映画祭で、審査員賞を取った、ゴダールの新作(にして最後の作?)、『さらば言語』

既婚の女+独身男+犬。(まるで、私の物語のようだが……(笑)。今は、この組み合わせが、「ナウい」(←かなり古い表現だが(笑))のか?

「凡庸」な(?)物語。しかし、非凡な映像。
シノプシスを読んでもべつに見たいとは思わないが、予告編を見ると、とたんに見たくなる。

「Commençons au commencement (はじまりをはじめよう)」──ゴダールのいつもの言葉。

夥しい引用。

(T.S.エリオットの詩もそうだが)

****

Le dernier film de Jean-Luc Godard

Godard qui est toujours exceptionnel.

 


http://www.allocine.fr/video/player_gen_cmedia=19545281&cfilm=207387.html

 


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