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【訳詩】「To Daddy」Robert Lowell ("History" 1973) [訳詩]

「To Daddy」Robert Lowell ("History" 1973)」
I think, though I didn't believe it, you were my airhole, resigned perhaps from the Navy to be an airhole____
that Mother not warn me to put my socks on before my shoes.
******
「とうさんへ」ロバート・ローウェル
あなたは、そうは思ってはいなかったが、ぼくの水ぶくれだ、たぶん水ぶくれになるために海軍を辞めた──
母さんは靴を履く前に靴下を履けとは言わない。




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【訳詩】フランシス・ポンジュ「オレンジ」 [訳詩]

フランシス・ポンジュ「オレンジ」

 

スポンジの内部のようにオレンジの内部には表出を被った後の中身をふたたび獲得しようとする吸引力が存在する。しかしスポンジが常にその獲得に成功しているのに対してオレンジは成功したためしがない。なぜなら、オレンジの房は破壊され、組織は破られる。なるほど、弾性のおかげで皮だけがその形状を回復する一方で、琥珀色の液体が甘美な香りの涼やかさに伴われてまき散らされる──しかししばしば種たちの未成熟な退去への苦い意識にも伴われて。

 

 

(第一連、『物の味方』(1942年)より)

 

 

FRANCIS PONGE  "L'0RANGE" 

 

 

Comme dans l'éponge il ya dans l'orange une aspiration à reprendre contenance après avoir subi l'épreuve de l'expression. Mais où l'éponge réussit toujours, l'orange jamais : car ses cellules ont éclaté, ses rétablit mollement dans sa forme grâce à son élasticité, un liquide d'ambre s'est répandu, accompagné de rafraîchissement, de parfum suaves, certes, ___ mais souvent aussi de la conscience amère d'une expulsion prématurée de pépins.

 

 

"Le parti pris des choses" (1942))




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【訳詩】(サミュエル・ベケットがフランス語で書いた)「1 POEMES 1937-1939」より [訳詩]

 【訳詩】(サミュエル・ベケットがフランス語で書いた)「1 POEMES 1937-1939」より


 


 


elles viennent


autres et pareilles


avec chacune c'est autre et c'est pareil


avec chacune l'absence d'amour est autre


avec chacune l'absence d'amour est pareille


 


 


彼女たちがやってくる


それぞれ違っていて似ている


それぞれにとっては違っていて似ている


それぞれにとって愛の不在は違っている


それぞれにとって愛の不在は似ている


 


****


 


(ワタクシ的解釈)


 


ベケットは「無」に向かって突入していく。すでにして大文字も、句読点もない。ピカソの絵のように、三人(くらいの(笑))女たちがこちらに向かって歩いてきて、各人まったく違うな、しかし、同じでもあるナ、と感じている。その矛盾の共存を描いた作品……なのでは?


 


彼はこの作品を英訳にもしているが、やはりフランス語で書くことによって、その矛盾の美しさが表れるようにも思う。





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【訳詩】T.S.エリオット「J・プルフロックの恋歌」(『プルフロックとその他の観察』(1917)より))1 [訳詩]

T.S.エリオット「J・プルフロックの恋歌」(『プルフロックとその他の観察』(1917)より))1


 


じゃ、行こうか、きみとぼく


空に夕暮れがまき散らされるとき


麻酔をかけられた患者みたいにテーブルの上の


行こうよ、とある半寂れの通りを抜けて、


ごちゃごちゃいう避難場所


眠れない夜の一夜専用安ホテルの


そしておがくずレストラン牡蠣の殻が散らばった


たどっていく通りうんざりさせられる議論のように


狡猾な意図の


膨大な問いにきみを導くための...


おっと、聞かないでくれよ、「それはなんだ?」って


行こうぜそれから訪問してやろう。


 部屋を女たちが行ったり来たりしている


ミケランジェロについて話しながら。


 


 


****


 


(訳者記:第一連、かたちは、シェークスピアを思わせるソネット)


 


T.S.ELIOT 


THE LOVE SONG OF J.ALFRED PRUFROCK (From "Prufrock AND OTHER OBSERVATIONS, 1917


 


Let us go then, you and I,


When the evening is spread out against the sky


Like a patient etherised upon a table;


Let us go, through certain half-deserted streats,


Of restless nights in one-night cheap hotels


And sawdust restaurants with oyster-shells:


Streets that follow like a tedious argument 


Of insidious intent


To lead you to an overwhelming questions...


Oh, do not ask, "What is it?"


Let us go and make visit.


   In the room the women come and go


Talking of Michelangelo.




london1.jpg






 


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【訳詩】ルネ・シャール「かたちの共有」ⅩⅠ [訳詩]

【訳詩】ルネ・シャール「かたちの共有」

 

ⅩⅠ

 

たぶん内戦とは、魔力を持つ死の鷲の巣? おお、死の未来を飲み干すものを輝かせながら。

 

****

 

RENÉ CHAR "PARTAGE FORMEL"

 

ⅩⅠ

 

Peu-être la guerre civil, nid d'aigle de la mort enchantée? Ô rayonnant buveur d'avenir mort !

 


san180904.jpg



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【訳詩】T.S.エリオット『四つの四重奏曲』より [訳詩]

T.S.エリオット『四つの四重奏曲』より

 

現在の時間と過去の時間は

両方ともたぶん未来の時間の中に存在し、

そして未来の時間は過去の時間の中に含まれている。

もしすべての時間が永遠の現在なら

すべての時間は取り戻すことができない。

かつてあったかもしれないものはひとつの抽象概念かもしれない

それは永遠の可能性にとどまり

想像のなかにのみある。

かつてあったかもしれないもの、あったものは

ひとつの終焉、永遠の現在を示す。

記憶のなかの足音の響き

われわれが通らなかった通路に降り

われわれが決して開けなかった扉に向かう

ローズ・ガーデンのなかへ。私の言葉は

きみの心にこのように響く。

      しかしなんの目的で

ローズ・リーブスの鉢の上の塵をかき乱す

私は知らない。

 

****

 

From T.S. ELIOT "Four Quartets"

 

Time present and time past

Are both perhaps present in time future,

And time future contained in time past.

If all time is eternally present

All time is unredeemable.

What might have been is an abstraction

Remaining a perpetual possibility

Only in a world of speculation.

What might have been and what has been

Point to one end, which is always present.

Footfalls echo in the memory

Down the passage which we did not take

Towards the door we never opened

Into the rose-garden. My words echo

Thus, in your mind.

                              But to what purpose

Disturbing the dust on a bowl of rose-leaves

I do not know.

 


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【訳詩】「地獄でのひと季節」(ランボー) [訳詩]

 

「地獄でのひと季節」アルチュール・ランボー(拙訳)

 

*****

 

 往時、おれの記憶が確かなら、おれの生は饗宴だった、そこでは心は完全に解放され、葡萄酒は全部流れ出ていた。

 ある夜、おれは美というものを膝に座らせた。──そしてそれが苦しみだと知った。──そしておれはそいつを罵った。

 おれは正義に対して武装した。

 おれは逃走した。おお魔女らよ、不幸よ、憎しみよ、

おれの宝物庫を託したのは、おまえらだ!

 おれはすべての人間的な希望をおれの精神のなかに隠すのに到達する

 心からの喜びをもってそいつを絞め殺すために残忍な獣からそっと飛んだ。

 

 

「地獄の季節」アルチュール・ランボー(小林秀雄訳)

 

 *

* *

 

 かつては、もし俺の記憶が確かならば、俺の生活は宴であった、誰の心も開き、酒という酒はことごとく流れ出た宴であった。

 ある夜、俺は『美』を膝の上に坐らせた。──苦々しい奴だと思った。──俺は思いっきり毒づいてやった。

 俺は正義に対して武装した。

 俺は逃げた。ああ、魔女よ、悲惨よ、憎しみよ、俺の宝が託されたのは貴様らだ。

 俺はとうとう人間の望みという望みを、俺の精神の裡(うち)に、悶絶させてしまったのだ。あらゆる喜びを絞殺するために、その上で猛獣のように情け容赦もなく躍り上ったのだ。

 

 

"UNE SAISON EN ENFER"   Rimbaud

 

*****

 

 Jadis, si je me souviens bien, ma vie était un festin où s'ouvraient tous les cœurs, où tous les vins coulaient.

 Un soir, j'ai assis la Beauté sur mes genoux._____Et je l'ai trouvée amère._____Et je l'ai injuriée.

 Je me suis armé contre la justice ! 

 Je me suis enfui. Ô sorcières, ô misère, ô haine, c'est à vous que mon trésor a été confié !

 Je parvins à faire s'évanouir dans mon esprit toute l'espérance humaine. Sur toute joies pour l'étrangler  j'ai fait  le bond sourd de la bête féroce.

 

 


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「やさしいテムズ川よ……」 [訳詩]

 

Sweet Thames, run softly till I end my song,

Sweet Thames, run softly, for I speak not loud or long.

 

    (From T.S.ELIOT "The Fire Sermon" in The Wast Land 1922)

 

****

 

やさしいテムズ川よ、私が歌い終わるまでゆるやかに流れておくれ、

やさしいテムズ川よ、私は大声で長々と話さないから、ゆるやかに流れておくれ。

 

(T.S.エリオット、『荒地』「Ⅲ 火の説教」より)

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【訳詩】マラルメ「告白」 [訳詩]

【訳詩】

 

「告白」 マラルメ

 

私の魂はきみの額に向かう、おお穏やかな恋人、

赤茶色の染みをまき散らされたひとつの秋が夢見る額

そしてきみの天使の瞳を漂う空に向かう

入れ、物寂しい庭園へ入るように、

忠実なれ、蒼穹へ向かうひとすじの白い噴水のように!

──青白くまじりけのない十月によって柔らかくなった蒼穹へ

ひとすじの噴水は大盤に彼の無限の憂愁を映す

たまり水の上の葉っぱの褐色の最後は

風のなかをさまよい、冷たい跡をつけるが、

長い光線の黄色い太陽はのたうつままに。

 

****

 

上田敏訳

 

「磋嘆(といき)」

 

静かなるわが妹(いも)、君見れば、想(おもひ)すゞろぐ。

朽葉色に晩秋(おそあき)の夢深き君が額に、

天人の瞳なす空色のまなこに、

憧るゝわが胸は、苔古(こけふ)りし花苑(はなぞの)の奥、

淡白(あはじろ)き吹上(ふきあげ)の水のごと、空へ走りぬ。

 

その空は時雨月(しぐれづき)、清らなる色に曇りて、

時節(をりふし)のきはみなき鬱憂は池に映ろひ

落葉の薄黄(うすぎ)なる憂悶(わずらひ)を風の散らせば、

いざよひの池水に、いと冷やき綾は乱れて、

ながながし梔子(くちなし)の光さす入日たゆたふ。

 

***

 

註:まったく同じ風景を言ってるんですけどね(笑)。

 

***

 

【原文】(アクサン省略)

 

Soupir

 

Mon ame vers ton front ou reve, o calme soeur,

Un automne jonche de taches de rousseur,

Et vers le ciel errant de ton oeil angelique

Monte, comme dans un jardin melancolique,

Fidele, un bland jet d'eau soupire vers l'Azur !

____Vers l'Azur attendri d'Octobre pale et pur

Qui mire aux grands bassins sa langueur infinie

Et laisse, sur l'eau morte ou la fauve agonie

Des feuilles erre au vent et creuse un froid sillon,

Se trainer le soleil jaune d'un long rayon.

 

 

(原文は美しい韻を踏んでいるが、とてもそこまでは写せない、上田敏先達とワタシでした(笑))

 

 

****

 

 

「宮人よ我が名を散らせ落葉川」 芭蕉

 

 

(「落葉」は、冬の季語)

 

 


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