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『イミテーションゲーム』──カンバーバッチあっての映画(★★★★★) [映画]

『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(モルテン・ティルドム監督、2014年、原題『THE IMITATION GAME』)


 


 ソフトウェアのノーベル賞とも言うべき、「チューリング賞」というものがある、アラン・チューリングは、「コンピューターの父」と言われるが、いったい何を考えたのか? 私もよくわからない(笑)。だいたいのところでは、「数学者ではなくても、誰でも使える機械」、データさえテープに書き込めば、おのずと計算結果が出る機械ではないだろうか。もしかしたら、アインシュタインと同じくらい評価されてもいいのかもしれない。そのチューリングの「伝記」のような映画である。チューリングを演じられる、というより、チューリングと等価の俳優は、カンバーバッチをおいて他にないだろう。不思議な役者だ。初めて彼を見たのは、『裏切りのサーカス』においてだ。とくべつハンサムではない。そのときは、ゲイリー・オールドマン扮する、MI6の元幹部の部下で、金髪だった。目が青いのだから、べつに金髪でもおかしくないが、なんか妙な感じだった。ヘンな顔。そのヘンな顔が印象に残った。そのときは、名前さえ知らなかった。名前を調べると、これまたヘンな名前だった。


 「シャーロック」が評判になったので、Amazonで、DVDを購入して観た。スタイリッシュな作りのテレビドラマだった。シャーロックは、映画では、ロバート・ダウニー・ジュニアが演じたが、カンバーバッチの方がハマっているだろう。クールそのものの感じ。しかし英国的クールだ。顔も、宇宙人のようだが、英国人以外のなにものでもないような顔だ。


 本作で、アカデミー脚色賞を取った、グレアム・ムーアが言っていた。カンバーバッチは、ショックを受けた演技で、大声を上げるだろうと思っていると、なにかささやいて終わる。一度として同じ演技をしない。


 チューリングは、機械に恋した。人はそれを「ゲイ」という。機械とのコミュニケーションを試みた。その「せつなさ」は、まさに、カンバーバッチを待たねば表現できなかっただろう。


 脇役も、カンバーバッチに匹敵できるような曲者を廃している。保守的な中佐だが、目がいたずらっ子のような、なつかしのチャールズ・ダンス、「ある時アラブの王子様!」だって演じてしまう英国カメレオンのマーク・ストロング、若くてきれいなのに演技派、キーラ・ナイトレーは、おホモの男に「ないものを求め続ける強き女」を、まるで年上の女のような包容力(この女優には、若いのにそういう持ち味がある)で演じている。『マッチポイント』のあの男優は、ちょっとタイプでないので、スルー(笑)。


 


 


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