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『現代詩手帖 2017年 07 月号 』──同人誌以下(★) [Book]

『現代詩手帖 2017年 07 月号』(思潮社、  2017年6月28日刊)

 

 地方の書店には置いていない。大都市の大書店にあるかどうか。同人誌のようだが、志を同じくする士が、発行代+郵送代だけを割り勘にしている同人誌、あるいは、個人誌はまだ、金銭的には清潔である、と言える。

 しかし、こと、このザッシに関しては、このザッシの発行元の、金銭+見栄主義で、詩の世界はメチャクチャになっている。まず、この発行元のカイシャは、詩の世界を、思うように管理しようとしている。私が観察した内容は次のようである。

 

1,看板になる「大御所」「有名人」には、おそらく原稿料は払われているのではないか?

2,売れるかも知れない本もたまには出るが、その著者が「大御所」ではない場合、おかしなことに、版元のくせに、売れるのをセーブしているかのように見受けられる。なぜなら、「大御所」もしくは「有名人」ではない著者が突出して、このカイシャが、制御できない市場の原理で動いてしまっては困るからである(この点が、大手出版社と異なる動きをしている)。

 

3,「中御所」(つまり、「大御所」ではないが、中堅で、それなり名前も、「詩の世界では」知られている)は、優遇するが、詩集出版には、100万円払わないといけない。

 

4,「いちげんさん」は、お断りである。いくらカネを出しても、一応、誰かの紹介か、「なじみ」になる道を探さなければ、カネを出しても、やたらには、ここでは詩集を出版できない。かといって、文学としての「質」が保証されているわけではない。かなり凡庸な、低レベルの詩集も混じっている。しかし、装丁は、人目をひく、洗練されたものが多い。それが、世間で注目されるゆえんでもある。

 

5,4のような「殿さま商売」的態度を保つことによって、かろうじて、「権威」のようなものを保っている。

 

6,ゆえに、不思議なことに、このカイシャの商売相手は、中堅詩人と「なじみ」客なのである。これだけでも、結構な数がいるので、そう高くないと思われる、社員の給料は払えているようである。

 

今号で言えば、

 

【特集1】「新鋭詩集2017」→ほぼ全員、同社、100万円詩集のお客さま(笑)。

 

【特集2】「鮎川信夫賞を読む」→勝手に賞を作られて、エラリー・クイーンのりっぱな訳者でもある、鮎川信夫氏はほんとうに迷惑していると思います。なお、この賞は、(今どき)50万円の賞金で、受賞者2名の場合は、半額ずつ(爆)。地方の賞でも、100万円は出しているのに、です。候補者は、100万円詩集のみなさまと、「有名人」(賞の権威を上げるため)で、だいたい同時授賞が多い。選考委員は、一人は、精神異常者のような詩を書いている詩人、もう一人は、かつてはヒモ生活、いま、地方大学教授。反権威をポーズしてきたが、行動を見れば、どういうヤカラかは、わかろうもの。この二人の選考委員は、コンプレックスゆえか、「権威」とか「大学教授」などの詩人に弱い。しかも、「出版社の意向通りに」授賞者を決めているようにも見られ、最初から候補詩集ならびに評論集には、印なんかがつけられているのではないか勘ぐってもしかたないほど、意外性がない選択。この選考委員たちにも、相当のお金が払われているのではないか? つまり、これが、生活の糧の稼ぐ「お仕事」なんです(笑)。歴代授賞者を見れば、どの人が、「権威付け」授賞で、どの人が、「100万円詩集」の顧客か一目瞭然であり、たまに、「公正さを装うために」、べつのカイシャで出した、そこそこ評判になった「評論集」(あくまで「詩集」ではない)が候補あるいは、授賞することもある。めでたく(笑)、この出版社で100万円詩集を出すと、一回くらいは、エッセイなどを、このザッシに書かせてもらえる。それで、「作家気取り」の「詩人」たちをFBで見かけたが、「御利益」は、1年ぐらいしか続かない(笑)。また、新しい、「100万円詩集を出す詩人」が現れ、そちらの「宣伝」もしなければならないからである。確かに、この出版社で詩集を出すと、ほかの賞も受賞できる場合が多く、それで「顧客」が絶えないとも言える。みんな、われこそはと思うのである。そして、晴れて権威ある賞を受賞すると、本誌に、作品を書かせてもらえる。それが、今月の、「新鋭詩集特集2017」の内実である。

 

 



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