SSブログ

『現代詩手帖 2019年 04 月号』──日本に詩は存在しない (★) [Amazonレビュー]

『現代詩手帖 2019年 04 月号 』( 2019年3月28日、思潮社刊) 

 

 いま、とくに文学シュミのない一般人のあいだでも、テレビの「プレバト」で、俳句を「ならってみる」のはブームである。俳句は文字数もすくなく、「場の文学」であったので、独立して作品を見た場合、どの程度の文学レベルなのかはよくわからない。誰でも、「ひねれる」。それが、ついに、詩にも及んでしまった。本誌は、その証左である。どこの誰ともしらない、本誌の編集者が権威と信じる御仁が、えらそうに、詩を指南している(笑)。こんなものを、1000円以上も出して買う、一般読者がいるとも思えない。

 もともと、日本における現代詩とは、フランス近代詩の輸入から始まった。それも、誤った解釈の輸入であった。T.S.エリオットによれば、フランス近代詩がどんなものかよくわかる。それは「象徴派」という言葉で一括りできる集団であって、決して個人個人の詩人の芸術ではない。近代詩の正統は、イギリスの詩にある。それをまったく学んでいない日本の近代詩人、現代詩人の「作品」は、恣意的な短文のつらなりにすぎない。その短文の作者を権威づけて、自由にあやつり、この雑誌は成り立っている。すでに地方の大型書店にさえ見あたらず、発行部数は、500部程度とみた。


 


nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。