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『マジック・マイク』──肉体=知性の時代 [映画レビュー]

『マジック・マイク』スーティーヴィン・ソダーバーグ監督+リード・カロリン脚本+チャニング・テイタム主演 

 

 チャニング・テイタムの鍛え抜かれた完璧な肉体は、かつてのスタローンとか、シュワちゃんの、非知、非自然の肉体とは完全に違う。男性ストリッパーを演じようが、あくまで無機的かつ、ナチュラルなのである。無機的とナチュラルは、相反する概念のように見えるが、彼の肉体の中では解け合っている。

 

 男性ストリッパーの世界を、ソダーバーグは、決しておちゃらかすことなく、あくまで、現実的なビジネスとして描く。そこにはハードなダンスレッスンもあれば、心の繊細な動きもある。主人公のマイクのほんとうの関心は、家具のデザインで、スカウトした未成年の青年の姉の家の家具も、ちゃんと見て発言するところにリアリティがある。

 

 画家になることを決意して、監督業をやめるソダーバーグの、最後から二作目なのだろうか? とにかく、画家らしいスタイリッシュな映像と構成が目を引く。脚本は、同じテイタム主演の『ホワイトハウス・ダウン』と同じ人で、やっぱり、ストリップ・ダンサーは、ホワイトハウスの護衛官になったのか~(笑)である。ここでも、テイタムは、すばらしい身のこなしで、映画の質を上げている。

 

 時代は、完全に変わった。かつての二枚目、マシュー・マコノヒーも、「老醜」で、テイタムを引き立て、ごくろうさま、です。かなりどぎつい40代ストリッパー兼経営者の役は、ほんとうにうまいと思えど、やはり、今は、テイタムが光輝いている。



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