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作者の意 [文学]

 


A)    銀漢に合わすラジオの周波数 大森理恵


 


 


B)     銀河超ゆ母をたづねて馬の上 山下


 


 


Aの句にインスパイアされ、Bの句を得た。その「ココロ」は、銀河をゆく、「家亡き子」と、冠雪の下の句の合成である。


 


柴田宵曲も書いているとおり、句の解釈に「正解」はない。むしろ、「自分の頭で考えてくれ」である。


 


 


風の香も麻のうねりや馬の上 冠雪


 


 


「炎天下を馬上で行く場合であろうか。道端の麻畠を吹いて来る風も、生ぬるくムッとするような感じが想像される。『風の香』は勿論麻の香で、青い麻の葉がゆさゆさ揺れている様らしく思われる。


 けれどもこの句は決して右のような光景を表現しているわけではない。一読何となく暑そうな感じがしたために、そう解したまでであるが、作者の意はあるいは日も少しかげった場合で、麻を吹く『風の香』に多少爽涼の気を含ませているのかもわからない。要は『風の香』という語の解釈如何にある。読者は自己の連想によって、これを解するより仕方がない」(柴田宵曲『古句を観る』1984年刊 岩波文庫)

 

 


 


 


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