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八潮れん詩集『ル・鳩 良い子ぶる』──一滴の毒を! [詩]

『ル・鳩 良い子ぶる』(思潮社、2015年3月20日刊)


 

 秋の日のランボオのオカマ掘るヴェルレエヌ


新妻は舌ブルにうら悲し。


「こんなの詩ぢゃないわ! わたくし、担当やめさせていただきます!」


「だって、こんなもんだっただろー」


「なにが?」


「草間彌生の若い時」


「知らないわ、そんな水玉bassinのことなんか」


金出せば誰だって詩人ずら


色香得て涙ぐむ過ぎし碑の朔太郎


「ピカソだって、ああなる前はちゃんとした絵を描いてました」


「だけど、どこにも意味は滲み出てない、大したものぢやないか」


「これを許したらみんなやりますわよ」


「意味の大掃除でいいぢやないか」


「崩壊ですわね」


「ホーカイ」


昔フクチホースケって漫画家がいたな


ホースケ。


だけどこいつはお仏蘭西語がこんな風に聞こえるとしたら


一向に上達しないと思うね


どこまでやるつもりなのか?


一生とか


ひとつどこまでできるかは見物だな


その前にわしらの命は尽きるな


エロスはないだろー


メロスは走るだろー


コロスは歌うだろー


クロスは交わるだろー


(ってこれはあたりまえ(笑))


姿隠して尻も隠して


「福島系お涙チョーダイ詩人」が怒るだろー


「お貧乏系賞チョーダイ詩人」も怒るだろー


「谷川系詩人」も怒ると思うし、げんに


谷川俊太郎は怒りもしないだろー


「Facebook系詩人」はこいつは狂ってると思うかもしれない


現に狂ってない証拠はない(笑)。


『薔薇の名前』に出てきたあの夥しい言語で人格が崩壊したデブのように


残念ながらお仏蘭西は毒の足りない国


ゆえにこの詩ではまだ人を殺すことはできない


毒がほしけりゃあそこへ行くしかない


当然ながら伊太利亜


だってもうミーハー詩人たちは「アガンベン」とか


いって騒いどるずら


それだってもとはお仏蘭西の「現代思想」とやらから


出てきてそのお仏蘭西の「現代思想」はなにを隠そう


もとは独逸なんです


だからヘーゲルの門をくぐらないとなにもできないんです


「この門を潜るものはあらかじめ希望を捨てよ」


げにかれはうらぶれて


こゝかしこさだめなく


書き散らす詩人かな。


 

IMG_2887.JPG

 

 


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