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『Mommy/マミー 』──映画作りを一から勉強してください(笑)(★) [映画レビュー]

『Mommy/マミー 』(グザヴィエ・ドラン監督、2014年、原題『MOMMY』)


 


 アイメーク・バッチリ、ほうれい線くっきりの、自称40歳、ほんとうは46歳の、「痛い容貌」(笑)の母親(シングルマザーには違いないが、夫が死ぬまでは普通に結婚していたらしいから、根っからのシングルではない)と、見るからにワルガキ丸出しの「許し難い容貌」(笑)の、15歳の息子。数えてみれば、30過ぎの子。べつに、「青春のアヤマチ」でできた子ではない。じっとしていられない病気があるらしいが、この病気が、映画では、病気のように描かれておらず、実際、こういう病気の子どもたちに対して迷惑である。どう見たって、ただのワルガキである。こういうのを、障害児といったら、「カワサキ国」の不良ども(18歳が中学生を殺した事件があった)は、みんな障害児である。そして、施設に息子を「請け出し」(笑)に行ったときの母親の態度は、週刊誌が記述する、例の「中学生殺しの18歳」の母親の態度を彷彿とさせる。この女は、水商売かなんか?と思うと、途中で、新聞だかのコラムを書く仕事をしていたり、翻訳までやっていたりするので驚く。それだけでは食っていけないので、掃除などもする「フリーター」なのだろうか。いずれしろ、いい家に住んでいる。それもそのはず、これは、カナダとは名ばかりの「架空の国」なのである。そして、問題児は病院に遺棄できるという架空の法案もできる。だいたい創作家は、いかにリアリティを持たせるかに苦心する。こんな、「これは架空なんです」で、話がすませられれば誰も苦労しない。


 ゴダールとともに、おフランスでは、なんか讃え賞されたらしいが、ま、そのゴダールも、すでに腐った鯛になり果ててますから……(笑)。


 カナダのフランス語が、また、英語のヤスリをかけたようで、なんちゅうか、メリハリのない、くたくたフランス語なのである。ここには、言語の美しさもない。


 脚本もよくない。ドラマ作りのノウハウも習得しないうち、「おれさまの感性を見ろ」ってな調子で業界に登場してしまったのだろう。行き着く先は→レオス・カラックス? おフランスには、そういう、「かつての若き天才」がゴロゴロいる。まさに、石っころになりはてて。このクソガキのあからさまな黒人差別は、いくら注意する母親のシーンを作っても許されないだろう。しかし、ま、冷静に考えてみれば、こういうクソガキを、演技でやっているとしたら、この役者には感心するワ(笑)。


 親子の愛なのか、不良の物語なのか、15歳のガキが隣のおばさん(この女優はわりあい感じよかったが、彼女の夫が、また「イヤな顔相」なのである)とやってしまうハナシなのか、テーマも曖昧模糊としているが、まあ、題名の「マミー」に従ってみれば、あきらかに母親が悪い。しつけもなにもできてないワルガキを、ときに甘やかし放題にし、ときに、遺棄するのだから。産んだら棄てるな、棄てるなら産むな。しかし、若い男性監督、それがテーマとも思えない(笑)。


 画面サイズを伸び縮みさせる「芸当」は、まったく意味なし。


 


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