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『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ 』──アメリカで唯一トランプに対抗できる男!(★★★★★) [映画レビュー]

『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』(マイケル・ムーア監督、2015年、原題『WHERE TO INVADE NEXT』


 


 アメリカで、トランプに対抗できる唯一の人物は、このヒト、マイケル・ムーア。元ライフル協会の会員でもあった彼は、自ら銃社会を告発。初めから正義の味方ぶるのではなく、あくまで自分のキャラは変えずに、しかし、どんどん学んで、まっとうになっていく。いつもは、「アポなし突撃取材」が得意な彼だけど、今回だけは、アポをとってのていねいの見せ方になったようだ。ま、アポなしは、自分の国の国防総省ぐらいだろう。


 「世界侵略」の逆説を掲げて、いろいろな国の「いいとこ取り」。そりゃあ、本作で紹介された国々だって理想とは言えないだろう。しかし、これらの国の驚くような現実は、まさに現実なのだ。


1,イタリアの多すぎる有給休暇とランチ休憩2時間。昼休みは、おうちでゆっくりランチ。


2,最も貧しい地区の学校の給食さえ、レストランなみのメニューのおフランス。


3,宿題を廃止してから、学力がぐーんと伸びたフィンランド。


4,刑務所が保養所のように清潔で自由で、ムショ内のレストランのコックは殺人犯で、包丁をいっぱいおいてある場所にいる。


5,労働時間外に、上司が部下にコンタクトをとるのは違法のドイツは、ナチを忘れないために、街の各所にナチの犯罪の「現場」を保存し、犠牲者のユダヤ人の名前を彫ったプレートを舗道に埋めている。新しくドイツ国籍を取得した黒人が、「国の犯罪は引き継いで、償っていきたい」と言っているのが印象的だった。


6,テロで息子を殺されたスウェーデンだったかの父親は、死刑廃止を支持し、いくら犯人がゴミのようなやつでも、人には人を殺す権利はないと思うと、復讐の意志がないことを静かに話す。


7,チュニジアの女性パワー。


8,清原も無罪になる、ポルトガル(笑)。ポルトガル警察も、死刑には反対を静かに表明。それで、犯罪は減った。


 ……などなど。その間、警官にぼこぼこにされる、アメリカの黒人たちの映像などを差し挟む。これらの国々のすばらしいアイディアを、ムーアは、「盗んで」いくのだが、なんと、それらの「発祥」は、むかしむかしのアメリカ合衆国にあった──。こんな国に誰かした? 本作には、アジアの国は出てこない。日本、韓国、中国、北朝鮮……などは、アメリカものまね国と見た(合掌)。


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