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大岡信を悼む [文学]

【大岡信を悼む】


拙詩集『今はもう誰も杉村春子など思い出さない』より


「わが夜の詩人たち」より


「大岡信」


昔同人誌の同人のひとりに、「大岡信の家に遊びに行きませんか?」と言われた。自分が何者でもないのに、会いにいくのはどんなものかと思って断った。しかし、大岡信と口を聞いたことはある。早稲田小劇場の利賀村の芝居で、招待客は列を作っていて、私は熱烈なファンで会員だったので、その招待客のすぐ後ろぐらいの番号だった。「あ、大岡信だ」と思ったが、番号を聞くことにした。「すみません、何番ですか?」と言って、自分の番号札を見せた。大岡信はそれをのぞき込み、「×番……ぼくの後ろだ」と言ってくれた。さっぱりとしたよい人だと思った。私は大岡信を愛読していた。


*****


今も鮮やかに思い出すのは、半袖の、白のサファリジャケット。白いスーツの、哲学者、中村雄二郎氏と、なにからごそごそ耳打ち話をしていた。鮮やかな、利賀村の森の中の劇場の敷地で。


ちょうど氏の「著作集」を、本棚の「奥の院」(リビングに作り付けの、扉付のめったに開けない本棚)に移動したところだった。エリオット論を書こう思っていたが、急遽、大岡信論に差し替えるか。

 

 


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