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『ローガン・ラッキー』──ダニエル・クレイグがオモロすぎる(笑)(★★★★★) [映画レビュー]

 

『ローガン・ラッキー』( スティーヴン・ソダーバーグ監督、2017年、原題『LOGAN LUCKY』

 

ほんと、ダニエル・クレイグは「こっちの方が」あってかるかも。007で、かっこつけた紳士を演じるより。

 ローガン兄(チャニング・テイタム)、弟(アダム・ドライバー、なるほど、この二人はよく似ている)が、カーレース場の売上金強奪を計画し、獄中の爆破犯ジョーの助けを借りに行く。その場面がすでにして見ものである。銀髪を短く刈り上げたオッサンは、どこか『時計仕掛けのオレンジ』のアレックス坊やの、ジジイになった姿を彷彿とさせる。面会のテーブルを挟んで兄弟と対面する。兄弟は、「伝説(一応、地方の、ですが(笑))の爆破犯」を前に、神妙な顔つきをしている。とくに、アダム・ドライバーーが、『パターソン』からのキャラをどこか引きずって、物静かで冷静沈着に見える。そんな二人を前に、悪びれたクレイグ曰く、

「こんなシマシマのベビー服着せられて……」その服役服が、高級スーツよりよく似合う(笑)。

 爆弾(と、呼ぶことをジョーは好まない)の作り方も、独特である。ジェリービーンズと、あと2品の生活の品で、爆発物を作ってしまう。そのとき、「そんな材料で?」と疑問視する兄弟に、化学式を書いて、爆薬の構造を説明する。

 レース場の売上金は、安全を考慮し、秘密のカプセルで集金場まで透明パイプで送られる。地下工事をしていたローガン兄のジミーが発見したのだ。そしてそれを地下から襲おうという計画を立てる。はたして、『オーシャンズ・セブン-イレブン』とギャグがとばされ、メンバーが集められ、「11」のパロディのようになっていく。ま、ほとんど自己パロディだ。しかし、ジミーは、虐げられた人々にお金を届ける──。

 美少女コンテストに出るのが目標の、ジミーの幼い娘がブスい(笑)。かなり後から出演する、FBI捜査官の、ヒラリー・スワンクも、けっこう重要な役で出ている。というのも、その捜査によって、保険会社とレース会社のダークな関係が暴かれる。レース会社は強奪にあっても、金は保険会社によって補填された。よって、盗っても咎められない金が出るということだ。そのへん、がちゃがちゃと複雑で、「オハナシ」が見えない感もある。しかし最後は、移動診療所の女医だか看護師役のあのヒト。あのショートヘアと丸顔の愛嬌ある顔はどこかで見たと思ったら、『エイリアン、コヴェナント』のヒロインである。その彼女は、高校時代にバスケットの花形だったジミーのあこがれていた。ジミーは覚えていなかったが、その二人が弟クライドのバーでデートし、ジョーはローガン兄弟の末っ子の妹と、そして、ヒラリー・スワンクは……「うっふん」、お仕事のひっつめ髪をバラしてカウンターに座っていて、アダム・ドライバーに、「ひとりのお酒は演技が悪いので、いっしょに乾杯して」と、バーテンのドライバーに色目を使い、彼もまんざらでもなさそうに受ける。おわり(爆)。ローカルなローカルなカントリー曲流れる、なんのことはない、ラブ・ストーリーでした〜。あ、みんなすんごい訛りでね。



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