SSブログ

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ 』──ひさびさスポーツ根性モノ(★★★★★) [映画レビュー]

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ 』(ヴァレリー・ファリス ジョナサン・デイトン監督、2017年、BATTLE OF THE SEXES)

 

 ウーマンリブ盛んな1970年代、女子テニスプレーヤーが男のプレイヤーと試合するという物語。カメレオン俳優のスティーブ・カレルがどこまでやるかが見ものであった。ギャンブル中毒から立ち直れないまま、そのギャンブル癖の延長のようにウーマンリブに逆らって、男性優位を示すために女子との試合を提案する55歳のオッサン・プレーヤー。べつに女を見下しているわけでもなく、まあ、追いつめられてのスタンドプレーなのだろう。経歴もなかなかの有名プレーヤーである。

 かたや売られたケンカを買う、ビリー・ジーン・キング。こちらが主役で伝説の人。これを、エマ・ストーンが演じるのだが、もともとアスリート体質のエマにはもってこいの役だった。試合のシーンは、ほんものの中継のようにカメラが固定されたままコートを写している。そこを、カレルとエマが動く。エマの表情は本気である。一方、はじめは「からかい」も入っていたカレルも、ポイントを取られていくと、表情もだんだん本気になってくる。このあたりの変化が面白い。うまい。

 私生活のなにやかやも描かれてはいるが、これはスポーツ根性モノと見た。

 よく考えてみれば、負けるはずのないエマである。試合前、オッサンは、ビタミン剤とかサプリなどを、「専門家」に処方してもらい、うだうだ過ごし、エマはなりをひそめつつ、自己鍛錬に励む。そして勝ったあと、ひとりになって泣く。ここがいい。体の大きさとか筋肉の量などの差は問題ではない。要はガッツである。女は勝てる!

 

 


nice!(3)  コメント(0) 

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。