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【詩】「鴨」 [詩]

「鴨」

 

鴨は草のなかにじっとして、

鴉のように嫌われ者を演じることもなく、

鷺のように目立とうとすることもなく、

ただここでは、誰も鴨など食べようとしないことに安堵しているようだった。亀のように、

鯉に食らいつくこともなく、水に浮かぶことにも飽きて、

平穏な時間を味わっているようだった。定めがたい空の色

その豊かさに満足して、愛を失った者も得た者も

そのそばを通りすぎてゆくのだが、その魂は

草の一本より小さく、けれど存在して、

あなたに語りかけている。

kamo190516.jpg




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