【詩】「記憶」 [詩]
「記憶」
記憶の中の豊橋駅は、
脳の右側でしか再現されずそれは
古代都市のような階段を持ち床はいつも
水で濡れている
階段の右側はガラスのウィンドウがあってそこに
人形が縦横に置かれて
上っていく者を見つめている
痰ツボをはじめて知った
さらに右へ行くと
ソフトクリームの店があって
父母はニューファミリーのはしりだったので子を連れて
食べにいった丸いスツールに上って食べたソフトクリームは
ステンレスのスタンドに気取って載せられ
すぐに溶けてしまうのだったこの都市に生まれたのは
偶然この父母に生まれたのも偶然ときどき
見知らぬ星の子になって
不思議にその男女を見つめるのだったそう
左側は常に暗い
宇宙と直接繫がっているかのようだった
2019-08-27 04:07
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