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『クーデター』──だめな映画の見本(★) [映画レビュー]

『クーデター』(ジョン・エリック・ドゥードル監督、 2015年、原題『NO ESCAPE』)


 


 最近、アフリカ最貧国のひとつ、ブルキナ・ファソで、ほんもののクーデターが起きた。ニュースの端々をみれば、現実におけるクーデターがどのようなものか、垣間見ることができるだろう。


 それに比べて本作がいかにでたらめか。主人公のオーエン・ウィルソンは、「再起」のため、「東南アジアの某国」にある企業に、水道技師として、妻と幼い娘二人を連れて赴任する。その企業の人間はひとりも(!)出てこず、ホテルの垂れ幕に「歓迎」と示されているだけ。ついた翌日、クーデターが起こる。というよりも、まず最初のシーンが、「某国」の首脳がいる官邸で、首相(?)が殺され大混乱が起き、それが、クーデターであることがわかる。ホテルのフロントも機能しなくなり、企業も応答なしで、なんとなくへんに思う(鈍すぎる(笑))ウィルソンは、翌日散歩に出て、群衆が外国人を処刑しているのを目撃。新聞スタンドで、英語系の新聞をやっと求めるが、数日前のものである。とにかく、ただ買っただけ(笑)。中身は見ない。このように、細部がいかなる伏線ともなりえない、ただの細部。旅行者のハモンドこと、ピアース・ブロスナン(かなり老けた、どん臭いオヤジになり果てていた(笑))と知り合い、いくらなんでも、飛行機の中では早すぎるが(笑)、彼は後ろの席にいて、ウィルソンの娘のいたずらをわらって見ていたのであった。その彼が、のっけから、空港からホテルへの移動に手を貸してくれ、途中、危機に巻き込まれた時は、現れて助けてくれる。


 クーデターと言えば、群衆劇で、政治的状況も描かれねばならないが、それは、ゼロ(笑)。アメリカ的当たり障りを避けるのもいいかげんにしろ!である。結局、国内ゾンビ状態で、主人公一家が全国民(のはずはないが(笑))に襲われるも、川伝いにベトナム側へ逃れて保護され、ハッピー・エンドとなるが、ベトナムのとなりって……? タイ、ミャンマー、カンボジアあたりが、この「某国」のモデルだろうが、話されていた現地語は、いったい何語だったのか、当方疎くてよくわからぬ。ひょっとして上記のミックス? 仕事でいくのに、完全なる「情報丸腰」(私の造語です(笑))で行くか?


 それにしても、ピアース・ブロスナン、実は、CIA関係者のおじさんでした〜は、いいけど、あまりに落ち目すぎ。かつては、007をやったこともあるのに、プライドはないのか、よほど金に困っているのか(笑)?


 オーエン・ウィルソンも、かつてはウディ・アレンの映画にも出たのに、よーこんな三流映画に出るよ。なんせ、やっと辿り着いたアメリカ大使館がすでに全滅していたんです(爆)。もー、役者が全然いらんじゃん(笑)。「いやー、まいったわ〜」と言いながら、激しい後悔と自己嫌悪に苛まれながら、映画館をあとにした私でした。Chan、chan〜♪(せめて、アル・パチーノとか、完全なるスターが出る映画を選べば、最低限このようなひどさは避けられただろう)。


 


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