【詩】「にちにちのはいしん」 [詩]
「にちにちのはいしん」
小学校のときかよちゃんが
くちばしっていた
にちにちのはいしんということばが
わたしのきおくのでーたべーすに入り込み
何十年経ったあとも
意味もなくふいに
立ち上がってくるのだった。
はたしてそれは、年の離れた兄姉のいる
かよちゃんが見ていたテレビドラマで、
やまぐちひとみとか、ああいったさっかの
げんさくだったと思うが──。
日日の背信。
いまその言葉は成長し成熟し、
私の隣りに座り、
昔からの愛人のように、
おおきな顔をして、
シングルモルトなどを
飲んでいるのだった。
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