10年前のケイシー・アフレック [映画レビュー]
10年前に初めて、ケイシー・アフレックを見て、すごいと思った。その記録があった。彼は、その後も、いろいろ注目されながら、「やっと」、大輪の花を咲かせた。ブレない男。
*****
Yahoo! 映画より。
『ジェシー・ジェームズの暗殺』 (2007)
THE ASSASSINATION OF JESSE JAMES BY THE COWARD ROBERT FORD
監督アンドリュー・ドミニク
「ケイシー・アフレックがブラピを食っていた」(★★★★)
山下晴代 さん 2008年1月17日 3時37分
原題は、『臆病ロバート・フォードによるジェシー・ジェームズの暗殺』……なにやら演劇のような題である。もしかしたら、舞台劇であったものかもしれない。
19世紀アメリカに実在した「人気者の悪党」と、彼を暗殺した手下の、「歴史的な」できごとを、一巻の映画にしたてた。荒涼とした土地で演じられる、冷えた心理劇……。大味で脳天気なアメリカ映画が多いが、たまにはこうした、ていねいな作りの作品もいいだろう。作り手側の心意気はわかる。しかし、惜しむらくは、名作とはいいきれない欠点がいくつかある。
1、主役の悪党=ブラピが全然魅力的に見えない。
2、芸術への色気か、作品が長すぎる。
3、内容を言葉で説明しすぎている。
以上のような欠点はあるが、導入部の、荒涼とした土地に夜汽車が入ってくるシーンはとても美しいことと、「助演」のケイシー・アフレック(ベン・アフレックの弟)が魅力的であることが本作を星三つ域から脱出させている。
とくにケイシー・アフレックは、本来なら、主役の悪党を暗殺する卑劣な男なのだろうが、困ったことに彼の方が魅力的なのである(笑)。ま〜、ブラピは、トシのせいか(44才だが、34才を演じていた)、アフレック(32才だが、19才を演じていた!)に完全に食われてましたね。アフレックの、バカを装った純な男の複雑さを表現する「視線」の演技は、見るに価する。よって、「妥協の」星四つ!
あ、でも、やはり、「腐ってもブラピ」ということはある。全然魅力的に見えないとはいえ、やはりこの役はブラピが演じたからこそ、荒涼とした土地に観客の視線を集めえたとも言える。
だからまあ、「妥当の」星四つか。
コメント 0