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『パンク侍、斬られて候』──おバカ映画に徹しきれない凡作(★★) [映画レビュー]

『パンク侍、斬られて候 』(2018年、石井岳龍監督)

 

 どうせ「アンアン」かなんかに十数年前に連載したパンクなんでせう? あの時代パンクでも今はどーよ? 連載小説は、とにかく「書き上げることができる」、このおかげで、かろうじて作品になっている「時代小説」?って言ったら、まともな考証やってる時代小説家が怒るし、ま〜、しいていえば、小島信夫の「別れる理由」みたいなだらだら純文学ぅ〜って言ったら、ほめすぎ〜(爆)? 少なくとも、角川文庫版で、エラソーな解説書いている、高橋源一郎の小説よりは、まともな小説ではある。

 

 しかし、このまま映画化したんじゃ、本作のように、どこか飛んだ感じにはならないだろう。そこには、脚本の宮藤官九郎の「才能」が関与している。なるほど、ほとんど「原作そのまま」で、ゆえに、スジが紋切り型なんだけど。

 それと、スターをふんだんに使ったおバカ映画にしているところが魅力なんだけど、完全なるおバカになっていないところが、ま〜演出(監督)の凡庸さですな〜。

 ただ、「茶山さま」の半裸白塗り、妙にスタイル日本人離れ、は、誰かしら? と最後のクレジット見るまでわからなかった。知って感心(笑)。一方の家老を演じる、トヨエツも、そうだとはわからなかった。というのも、それほどこの俳優を見てないからだと思う。アメリカ俳優の誰かに似ていると思った。ウィンクがかわいい。あと、名前を聞いたことがない俳優で、個性的な役を演じているのは、「どうせ『大人計画』」の俳優だろう(笑)。

 

 主役の綾野剛、「もう終わり」というレビュアーもいたが、確かにもう終わりなのかもしれないが、この役は、なかなかセクシーだった。だいたいセクシーな俳優である。けっこー、見惚れたぞ〜。

 しかし、紋切り型へ導かれるラストは、せっかくのクドカンの世界を台なしにしている。クドカンはオリジナルでは、こういうスジは書かないだろう。この点、外せなかったのか? 『パンク侍、斬られて候』っていう題名はいい。だが、実際は「斬られてない」(笑)。女に竹べらで肝臓あたりを「刺されて」死ぬ。それも最初に殺した老人の娘だった女の仇討ち。つまらん。





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